リスクが怖くて動けないときに考えたい「リスクとリターン」の本質

投資や起業、あるいは人生の重要な選択において、
「リスクが気になって一歩を踏み出せない」
そのように感じたことのある方は少なくないのではないでしょうか。
株式投資にしても、事業への挑戦にしても、「失敗したらどうしよう」「損をしたら取り返せないのではないか」という不安は自然なものです。
特に、年率〇%といった数字だけが一人歩きしている情報に触れると、かえって判断が難しくなることもあります。
本記事では、リスクとリターンをどのように捉え、どのように判断すればよいのかについて、考え方の整理をしていきます。
リスクとリターンは必ずセットで考える
まず大前提として押さえておきたいのは、リスクとリターンは必ずセットで考えるべきものだという点です。
リターンだけを見て判断するのは非常に危険です。
一方で、リスクだけを見て行動を止めてしまうのも、決して賢明とは言えません。
重要なのは、
- どの程度の利益が見込めるのか
- 最悪の場合、どこまでの損失があり得るのか
- それぞれが起こる確率はどのくらいなのか
これらを自分なりに整理して考えることです。
リスクの考え方は「台風予報」に似ている

リスクを考えるうえで、「台風の進路予報」を例として挙げます。
天気予報では、台風の進路が一本の線ではなく、円(予報円)で示されます。
これは「この範囲に台風の中心が入る確率が高い」という幅と確率を示しているものです。
もし進路が中心線だけで示されていたらどうでしょうか。
線から少し外れた地域の人は何の備えもしないかもしれませんし、実際にズレた場合には大きな混乱が生じます。
投資やビジネスの判断も同様で、
「年率〇%が期待できます」という一点だけの情報は、台風の中心線だけを示しているのと同じです。
幅と確率が分からない予測は、実用性が低い
この点をまず理解しておくことが大切です。
「期待リターン〇%」だけでは判断できない理由
投資の説明でよく見かけるのが、
「この投資は年率〇%のリターンが期待できます」という表現です。
しかし、この情報だけでは判断材料として不十分です。
なぜなら、その〇%がどのようなブレ幅を持ち、どの程度の確率で実現するのかが分からないからです。
例えば、
- 好調なら大きくプラスになる可能性があるのか
- 不調ならどこまで下がる可能性があるのか
- 過去にはどのような結果が多かったのか
こうした情報があって初めて、現実的な判断ができます。
数字の計算よりも大切な「考え方」
統計的には、リターンとリスクを数式で表すこともできます。
しかし、日常の判断において、複雑な計算式を覚える必要はありません。
実際、多くの人は無意識のうちに次のようなことを考えています。
- 最悪の場合、どうなるだろうか
- それが起こる確率は高いだろうか
- うまくいった場合、どの程度の見返りがあるだろうか
この「最悪の想定」と「成功時のうまみ」、そして「確率」を天秤にかけて判断することこそが、リスクとリターンを考える本質です。
私たちは日常的にリスク判断をしている
例えば、外出する際に「隕石が落ちてくるかもしれない」と心配する人はほとんどいません。
可能性がゼロではなくても、確率が極めて低いと判断しているからです。
一方で、成功する確率がほぼゼロ、もしくは失敗の確率が極めて高いと分かっていることには、誰も飛び込みません。
これは投資やビジネスに限らず、私たちが日常的に行っている判断でもあります。
起業やビジネス判断も同じ構造
起業や事業投資についても、考え方は同じです。
- 最悪の場合、生活が立ち行かなくなるのか
- 失敗してもやり直しがきくのか
- 成功した場合、どれほどのリターンが見込めるのか
例えば、「失敗しても別の仕事に就けば生活はできる」「独身で大きな固定費もない」といった状況であれば、最悪のリスクは限定的です。
そのうえで、成功時のリターンが大きいと判断できれば、挑戦する合理性は高まります。
雰囲気で判断する「雰囲気投資」の危険性
問題なのは、幅や確率を考えず、雰囲気だけで判断することです。
- なんとなく儲かりそう
- みんながやっている
- 有名な人が勧めている
こうした理由だけで判断すると、投資はギャンブルに近づいてしまいます。
特に金融商品は、説明する側に「売りたい意図」があることも少なくありません。
だからこそ、最終的な判断は自分自身で行う必要があります。
投資対象ではなく「考え方」が重要
株式、投資信託、仮想通貨、FXなど、投資対象の良し悪しが話題になることは多いですが、本質はそこではありません。
大切なのは、
- リスクの最大値と最小値を把握すること
- リターンの上限と下限を考えること
- それぞれの確率を自分なりに推測すること
この考え方ができていれば、対象が何であれ、判断の精度は高まります。
逆に、この視点を持たずに「〇〇だから危険」「〇〇だから安心」と決めつけるのは、本質から外れています。
分からないことには手を出さない勇気
もう一つ大切なのは、理解できないものにお金を出さないという姿勢です。
仕組みが分からない
リスクの全体像が見えない
確率の見当がつかない
そのような状態での投資は、冷静な判断とは言えません。
「分からないからやらない」という選択も、立派なリスク管理の一つです。
何もしないこともまたリスクである
最後に忘れてはいけないのは、何もしないこと自体もリスクであるという点です。
行動すれば失敗する可能性はありますが、行動しなければ成長やリターンの可能性もありません。
重要なのは、無謀に突っ込むことではなく、理解したうえでリスクを取ることです。
おわりに

リスクとリターンを考える際に大切なのは、次の3点です。
- 見た目のリターンだけに囚われない
- 最大と最悪の「幅」を自分なりに考える
- 成功と失敗の「確率」を自分なりに考える
不安が完全になくなることはありません。
それでも、自分なりに考え抜いた判断であれば、後悔は少なくなります。
投資でも、ビジネスでも、人生の選択でも。
大切な資産と時間を守りながら、納得のいく選択を積み重ねていきたいものです。