「サイドFIRE」の3つの魅力と追い風について

資産が少なくてもリタイア可能?「サイドFIRE」という現実的な選択肢と3つの魅力

資産が少なくてもリタイア可能?「サイドFIRE」という現実的な選択肢と3つの魅力

「将来は給与に依存せずに生きていきたい」「いつかは働かなくても暮らせる状態になりたい」。
30代に差し掛かると、こうした思いを抱く方は少なくありません。

今回いただいた質問も、まさにその代表例でした。

長年サラリーマンをしていますが、30代になりこれからの生き方を考える機会が増えました。
働かなくても生きていける状態が理想ですが、貯金はそれほど多くありません。
現実的に実現可能なリタイアの形はあるのでしょうか?

結論から言うと、「完全リタイア(FIRE)」だけが選択肢ではありません。
資産がそれほど多くなくても目指せる現実的な形として、今注目されているのが「サイドFIRE」です。

FIREとは何か?なぜハードルが高いのか

まず、FIREとは
Financial Independence, Retire Early(経済的自立・早期リタイア)
の頭文字を取った言葉です。

一般的にFIREを達成するための目安として、「年間生活費の25倍の資産」が必要だと言われています。
これは、運用利回り5%・税引き後4%程度で資産を取り崩すことを前提にした考え方です。

具体例を見てみましょう。

  • 月20万円(年240万円)の生活費 → 6,000万円
  • 月30万円(年360万円)の生活費 → 9,000万円
  • 月40万円(年480万円)の生活費 → 1億2,000万円

正直に言って、「これは無理だ」と感じる人が大半ではないでしょうか。
ここで登場するのが、希望の星とも言える考え方――サイドFIREです。

サイドFIREとは?「生活費の半分を働いて稼ぐ」という発想

サイドFIREとは?「生活費の半分を働いて稼ぐ」という発想

サイドFIREとは、
生活費の一部を労働収入で補い、残りを資産収入でまかなう生き方です。

「働きたくないからFIREを目指しているのに、結局働くの?」
そう感じる方もいるかもしれません。

しかし冷静に考えると、サイドFIREには非常に大きなメリットがあります。

魅力①:必要な金融資産が大幅に減る

最大のメリットは、用意すべき資産額が激減することです。

先ほどの例で、生活費の半分を労働で稼ぐと仮定してみましょう。

  • 月20万円の生活費
     → 必要資産 6,000万円 → 3,000万円
     → 労働収入:月10万円
  • 月30万円の生活費
     → 必要資産 9,000万円 → 4,500万円
     → 労働収入:月15万円
  • 月40万円の生活費
     → 必要資産 1億2,000万円 → 6,000万円
     → 労働収入:月20万円

「3000万円でも大金だ」と思うかもしれません。
しかし、年間300万円を10年間貯蓄すれば到達可能な数字でもあります。実際に達成している人もいます。

また重要なのは、「いきなり3000万円を目指さなくていい」という点です。
300万円なら月1万円、600万円なら月2万円と、少額でも資産収入は確実に積み上がっていく
この“進んでいる実感”が、継続のモチベーションになります。

魅力②:暴落時に資産を売らずに済む

FIREの成否を分ける大きな要因の一つが、「リタイア直後の相場環境」です。
もしFIRE直後に大きな暴落が起きると、資産寿命は一気に短くなります。

この最大の対策は一つだけ。
**「暴落相場では資産を売らないこと」**です。

完全FIREの場合、人的資本(稼ぐ力)はゼロです。
一方、サイドFIREであれば、必要に応じて働き、生活費を補うことができます。

この「選択肢がある」ことが、資産寿命を劇的に伸ばします。
人的資本を完全に失わないことは、リスク管理の面で非常に重要なのです。

魅力③:ほどよい労働は心身にプラス

多くの場合、問題なのは「労働そのもの」ではなく、
過度な労働・過度なストレスです。

適度に働くことには、

  • 社会とのつながり
  • やりがい・充実感
  • 身体や脳への刺激
  • 金銭的な安心感

といったプラス面があります。

実際、完全にリタイアした後でも「少し働いている」という人は珍しくありません。
サイドFIREは、人生にほどよいスパイスを与えてくれる働き方とも言えるでしょう。

サイドFIREを後押しする「ギグ・エコノミー」

サイドFIREを後押しする「ギグ・エコノミー」

ここで重要なのが、近年急速に広がるギグ・エコノミーです。

ギグ・エコノミーとは、インターネットを通じて単発・短時間の仕事を請け負う働き方のこと。
ライティング、デザイン、プログラミング、配達サービスなどが代表例です。

確かに、生活に余裕のない人がギグワークに依存すると、不安定になりがちです。
しかし、一定の資産基盤を持つ人が選ぶ場合は話が別です。

資産があるからこそ、
・仕事を選ぶ自由
・断る自由
・主導権
を持ったまま働ける。

だからこそ、ギグ・エコノミーはサイドFIREを目指す人にとって追い風なのです。

まとめ:サイドFIREという現実的な自由

完全なFIREは確かにハードルが高い。
しかし「サイドFIRE」という中間地点を目指すことで、人生の選択肢は大きく広がります。

サイドFIREの3つの魅力

  • 用意する金融資産の金額が激減する
  • 緊急時に資産を守れる
  • ほどよい労働が健康と充実感をもたらす

3000万〜5000万円でも、十分に検討の余地はあります。
今は稼ぐ手段がそこら中にある時代です。

知識を学び、判断し、行動する。
そうすれば、思っている以上に自由な生き方が実現できる時代になっています。