2024年に本格スタートした「新NISA(少額投資非課税制度)」。
制度の拡充によって、多くの人が投資を始めるきっかけとなり、日本の投資ブームをけん引しています。
そんな中、2024年末には驚くべきニュースが報じられました。
NISAの投資額が56兆円を突破!政府の目標を3年前倒しで達成
朝日新聞によると、政府が掲げていた「資産所得倍増プラン」におけるNISA関連目標のひとつ――投資額56兆円が、想定より3年も早く達成されたとのこと。
「NISAって本当にうまくいってるの?」と気になる方のために、今回は最新データをもとに新NISAのリアルな現状をわかりやすく解説していきます。
◆ 政府目標、まさかの“3年前倒し”で達成

政府は2022年に次の2つの数値目標を掲げていました。
- NISA口座数を5年で1700万件→3400万件に倍増
- 投資額を5年で28兆円→56兆円に倍増
いわゆる「資産所得倍増プラン」の一環です。
そのうち、今回3年前倒しで達成されたのが投資額のほう。
2024年末時点でNISA全体の投資残高は56.5兆円に達し、見事に目標クリア。
想定以上のペースで日本人の投資マネーが市場へ流れ込んでいることがわかります。
一方で、口座数はまだ道半ば。
目標の3400万件に対し、2024年末時点では約2560万件にとどまっています。
とはいえ、制度改正から1年でここまで伸びたのは大きな成果。
「投資を始める」という行動が確実に広がっていることを示しています。
◆ 日本証券業協会の最新データが語る「NISAの中身」
では、実際の投資行動はどうなっているのか。
日本証券業協会が2025年2月に発表した
**「新NISA開始1年後の利用動向調査(速報)」**をもとに、利用者のリアルを見ていきましょう。
◆ 売却した人は意外と少ない?

調査によると、2024年中に一度も売却をしなかった人は次の通りです。
- つみたて投資枠:83.2%
- 成長投資枠:75.3%
つまり、つみたて枠では約8割以上の人が「買ったままホールド」。
「長期投資を前提にじっくり資産を育てている」傾向が見て取れます。
それでも、1年で2割前後の人が売却しているという事実もあります。
制度の目的である「長期・非課税の運用」を最大限活かすには、
焦らず10年、20年と握力”を保つことが大切ですね。
◆ 資金の出どころは?
NISAで投資する資金は、どこから生まれているのでしょうか。
結果は次の通りです。
- 預金・給与・年金など自己資金:74.9%
- 配当金や利息の再投資:18.3%
- 相続などによる資金:6.0%
大半の人が「自分のお金でコツコツ投資」していることが分かります。
富裕層よりも、一般的な勤労世帯が中心。
この点がNISAが広く浸透している証拠とも言えるでしょう。
◆ 成長投資枠で人気の投資先は?
年間240万円まで非課税投資できる「成長投資枠」。
最も多かった投資先は――日本国内株式(48.8%)でした。
よく「NISAのせいで日本の資金が海外に流れてしまう」と批判されますが、
実際には日本株にも多くの資金が流入しています。
高配当株や大型株を中心に、国内企業への投資意欲が高まっているのです。
◆ つみたて投資枠では「全世界株式」が圧倒的人気
一方、年間120万円の「つみたて投資枠」では、
次のような投資信託が人気を集めています。
- 全世界株式(日本を含む):36.8%
- 全世界株式(日本を除く):18.5%
- 米国株式インデックス:約15%前後
最も人気なのは、いわゆる「オルカン」(全世界株式インデックス)。
「日本株だけに頼らない」「世界全体の成長を取り込みたい」という考えが広がっています。
また、「日本を除く」全世界株式を選ぶ人が約2割。
これは「給与や年金など円建て資産をすでに多く持っているから、投資は外貨で分散したい」という合理的な判断の表れでしょう。
つみたて投資枠の平均購入額は年間47.3万円。
コツコツ積み立てる人が多く、非課税枠600万円を10年ほどで埋めるペースです。
「焦らず、長く続ける」姿勢が浸透しています。
◆ 利用者の年収分布も興味深い
新NISA利用者の年収を見ると、最も多い層は年収300万円未満(39.7%)。
次いで、300~500万円未満(27.7%)、500~700万円未満(17.1%)。
この3層で全体の85%近くを占めています。
つまり、「平均的な所得層の人々」が主な利用者。
「お金がある人だけの制度」ではなく、幅広い層が未来のために投資を始めている現実が見えてきます。
◆ 新NISAのここがすごい!そして課題も
ここまでのデータから見えるポイントを整理しましょう。
- ✅ 投資額は56.5兆円で目標を3年前倒し達成
- ✅ 口座数は2560万件で増加中(目標3400万件まであと少し)
- ✅ つみたて枠の8割以上が“売却なし”で長期保有中
- ✅ 資金の約75%が預金・給与など自己資金から
- ✅ つみたて枠の主流は全世界株式や米国株インデックス
- ✅ 年収500万円未満の層が約7割と、幅広く利用
一方で、まだNISAを利用していない層も多く存在します。
特に40代~60代の現役世代では、「気になるけど難しそう」「損をしそう」とためらう人も少なくありません。
制度のわかりやすさや教育面のサポートが今後の課題です。
◆ 未来への投資文化を根づかせるために

NISAは、政府の数少ない“減税政策”のひとつ。
せっかくの非課税制度を活用しなければ、税金を「払うだけ」で終わってしまいます。
株価が短期的に上下することはあっても、長期で見れば世界経済は右肩上がり。
「一喜一憂せず、長期で持つ」――この姿勢が、将来の「小金持ち」への第一歩です。
2025年は株価がやや調整局面に入っていますが、それでも焦る必要はありません。
市場は波打ちながらも、確実に成長していくもの。
いま大切なのは「続ける力」。
20年後、あなたが「NISAのおかげで資産が育った」と笑えるように、
焦らず、淡々と積み立てを続けていきましょう。
◆ まとめ
- 新NISA投資額は56.5兆円、政府目標を3年前倒しで達成。
- 口座数は2560万件、今後さらなる拡大が期待される。
- つみたて枠の売却なし率83.2%と、長期保有志向が定着。
- 資金源の約75%は給与や預金からの自己資金。
- 人気投資先は全世界株式・米国株・日本株。
- 年収500万円未満層の利用が多く、広い層で浸透。
NISAは「投資のための制度」ではなく、「人生をより豊かにするための仕組み」です。
少しずつでも資産を増やし、未来の自分を支える力に変えていく。
そんな“長期計画”の第一歩を、あなたも一緒に踏み出してみませんか?