家の《リセールバリュー》を考えよう!

家の価値を長期で考える ― リセールバリューという視点

家の価値を長期で考える ― リセールバリューという視点

住宅を購入する際、多くの人は「いくらで買うか」や「毎月の返済額はいくらか」といった点に注目します。しかし、本当に大切なのは、その家が将来いくらで売れる可能性があるのかという視点です。この考え方を表す言葉が「リセールバリュー」です。リセールバリューとは、購入したものを再び手放す際に、どの程度の価格で売却できるかという概念を指します。つまり、購入価格と売却価格の差によって、実質的な負担額や、場合によっては利益まで見えてくるという考え方です。

住宅は人生で最も高額な買い物の一つです。そのため、購入時点だけでなく、将来の出口まで含めて考えることが、家計を守るうえで非常に重要になります。

建物と土地は分けて考える必要がある

住宅の価値を考える際には、「建物」と「土地」を切り分けて考える必要があります。日本の住宅市場では、建物は基本的に消耗品として扱われる傾向が強く、どれほど丁寧に使っていても、年数の経過とともに価値は下がっていきます。築年数が進めば進むほど、評価額は低下し、最終的にはほぼゼロに近づくケースも珍しくありません。

一方で、土地は状況によって価値が維持されたり、場合によっては上昇したりすることがあります。つまり、リセールバリューの高い住宅とは、建物ではなく、土地の価値に支えられている住宅だと言えます。

リセールバリューの高い土地の特徴

価値が落ちにくい土地には、いくつかの共通点があります。たとえば、交通の利便性が高い場所、生活環境が整っている地域、人口が増加傾向にあるエリアなどが挙げられます。また、商業施設や医療機関、教育施設が身近に揃っていることも、土地の評価を支える重要な要素です。

こうした条件を満たす土地は需要が高く、売却時にも買い手が見つかりやすいため、結果としてリセールバリューが高くなります。価値のある土地に建つ住宅は、「売ってよし」「住んでよし」「貸してよし」という三拍子が揃います。売却すれば利益が出る可能性があり、住み続けても資産価値が大きく下がりにくく、賃貸に出せば住宅ローンや維持費を上回る収入を得られる可能性もあります。

優良物件を手に入れる難しさ

優良物件を手に入れる難しさ

ただし、リセールバリューの高い住宅を購入することは簡単ではありません。条件の良い土地はすでに開発され、何らかの建物が建っていることがほとんどです。また、価値のある土地を所有している人ほど、簡単には手放そうとしません。そのため、本当に条件の良い土地が市場に出てくることは非常に稀です。

さらに、希少性の高い物件が売りに出た場合、経験豊富な投資家や資産に余裕のある人がすぐに購入してしまうケースも多く、一般の人が情報を得た時点では、すでに契約が決まっていることも少なくありません。この点からも、「良い物件を探すこと自体が難しい」という現実を理解しておく必要があります。

「家賃を払うより持ち家のほうがお得」は本当か

よく耳にする言葉として、「家賃を払い続けるくらいなら、家を買ったほうが得だ」という考え方があります。この主張は一概に間違いではありませんが、すべてのケースに当てはまるわけでもありません。重要なのは、どのような住宅を、どのような条件で購入するかという点です。

実は、住宅は購入した瞬間が、最も費用対効果が高いタイミングとも言われます。なぜなら、その後は建物価値が徐々に下がり、維持費や修繕費も発生していくからです。リセールバリューの低い住宅を購入すると、住んでいる間は満足できても、将来売却しようとした際に大きな損失を被る可能性があります。

経済的メリットと感情的メリット

リセールバリューの高い住宅を購入することは、経済的な合理性だけでなく、精神的な満足感ももたらします。自分の拠点を持ったという達成感や安心感、長期的な住まいについて悩まなくてよいという心の余裕は、数字には表れない大きな価値です。

一方で、感情だけで住宅を選んでしまうと、後々の家計に大きな負担を残してしまうこともあります。そのため、住宅について考える際には、数字で考える部分と、感情で感じる部分を意識的に分けることが大切です。

家は「住むもの」であり「資産」でもある

家は「住むもの」であり「資産」でもある

住宅は日々の生活を支える大切な場所であると同時に、大きな資産でもあります。そのため、単なる消費として捉えるのではなく、将来の選択肢を広げてくれる資産として考える視点が重要です。リセールバリューを意識することで、住み替えや売却といった選択がしやすくなり、人生の自由度も高まります。

家を購入するという決断は、感情と理性の両方が関わる大きな選択です。だからこそ、目先の価格や雰囲気だけで判断するのではなく、長期的な視点で価値を見極め、自分と家族の将来にとって最善の選択をすることが求められます。