受け取り上手は人生お得

受け取り上手は人生お得

受け取り上手は人生お得!──「もらう力」が人間関係と人生を豊かにする理由

受け取り上手は人生お得!──「もらう力」が人間関係と人生を豊かにする理由

今日のテーマは「受け取り上手は人生お得!」です。
これまで私は、「魚をもらうよりも、魚の釣り方を覚えることが大事だ」という話を何度もしてきました。魚をただもらうだけでは、その場は助かっても、自分で生き抜く力は身につきません。いざ何かあったときに、自分で魚を釣れなければ、乗り越えられない壁に直面してしまうからです。

だからこそ、「自分で魚を釣れるようになること」が大切であり、さらに言えば、釣り方だけでなく、仕掛けの作り方や釣り場の見つけ方まで分かるようになれば、より自立でき、より自由に生きられる。そういう話をしてきました。

ただし、ここで一つ大切な前提があります。それは、「もらうこと=悪いこと」ではない、ということです。
依存は確かに良くありません。「その人がいないと生きていけない」「もらうのが当たり前」という状態は健全ではないでしょう。しかし、もらうことそのものがダメなわけでは決してありません。

自分で魚も釣れるし、釣り場も見つけられる。なおかつ、人から魚をもらうのも上手。これができたら、正直言って最強です。目指すべきゴールは「自分でも釣れる状態」であることを前提に、今日はあえて「受け取る力」「もらう力」について考えてみたいと思います。

受け取り上手な友人Oくんの話

私の友人に、驚くほど「受け取り上手」なOくんがいます。
仕事でも、人間関係でも、そしてモノのやり取りにおいても、とにかく上手です。

彼の特徴は、良い意味での“図々しさ”を持っていること。何かを差し出すと、「いいんですか!?」と本当に嬉しそうに受け取ります。その反応があまりにも気持ちいいので、「じゃあ、これもあげようかな」と、ついこちらも与えたくなってしまうのです。

印象的なエピソードがあります。昔、私がかなり高価な時計を持っていたときのことです。Oくんは、「初任給で、その時計を譲ってもらえませんか?」と言ってきました。しかも、初任給で5回払い。決して余裕のある状況ではありませんでした。

冷静に考えれば、こちらは金銭的には損をしています。それでも、不思議と嫌な気持ちは一切ありませんでした。それどころか、「まあ、いいか」と自然に思えたのです。

さらに、彼はもらったモノをとても大切にします。譲った靴をピカピカに磨き、「こんな風に手入れしました!」と写真を送ってくる。まるで新品のようになった姿を見せてくれるのです。
これをされたら、「あげてよかったな」と思わない人はいないでしょう。

Oくんは、ただ受け取るだけでなく、「もらった後」の振る舞いがとても上手なのです。

教える喜びを与える「スポンジ型」の受け取り上手

もう一人、Aくんという友人がいます。彼は「スポンジ型」の受け取り上手です。
人から教えてもらったことを、すぐに実行する。素直に真似をし、行動に移す。その結果、きちんと成果が出ます。

そして、「やってみたら、こうなりました!」と必ずフィードバックをくれる。
この反応があると、教えた側はとても嬉しいものです。「教えてよかった」「また何か伝えたい」と思わせてくれます。

受け取るとは、単に情報をもらうことではありません。受け取ったものを活かし、行動し、その結果を返す。これも立派な「受け取り上手」なのです。

表現しないともったいない、Mちゃんの話

一方で、「受け取り下手」になってしまう原因の一つに、「表現が苦手」というケースがあります。

友人のMちゃんは、まさにそのタイプでした。
昔、彼女の誕生日に「これは絶対に喜ぶはず」と思えるお寿司屋さんに連れて行ったことがあります。ところが、食後の反応は「うん、美味しい」という一言だけ。正直、「あれ、好みじゃなかったかな?」と感じてしまいました。

ところが数年後、「今まで行ったお店で一番美味しかったところは?」と聞いたところ、返ってきた答えは、「あの時連れて行ってくれたお寿司屋さんです。人生で一番美味しかったです!」というものでした。

思わず「それ、早く言ってよ!もったいない!」と突っ込んでしまいました。
本人もその後、「ちゃんと気持ちを表現しないと伝わらないんですね」と気づき、少しずつ練習しているそうです。

喜びや感謝は、表現しなければ相手に伝わりません。思っているだけでは、残念ながら分からないのです。

受け取り下手が損をする理由

受け取り下手な人に多いのが、「受け取ることに抵抗がある」「相手に気を遣いすぎてしまう」というパターンです。
日本では謙虚さが美徳とされますし、それ自体はとても尊いことです。

ただ、少し視点を変えてみてください。
もしあなたが友人に誕生日プレゼントを用意したとして、相手が「いやいや、悪いから…」と受け取らなかったら、どう感じるでしょうか。多くの人は、少し寂しい気持ちになるはずです。

実は、「気持ちよく受け取ってもらうこと」そのものが、相手への思いやりになるのです。

また、「ちょうだいちょうだい精神」も問題です。
もらうことが当然、恵んでもらって当たり前、という態度は、相手の気持ちを冷ましてしまいます。受け取るときこそ、感謝と敬意が必要なのです。

もらい上手は、実は与えている

ここで、とても大切なポイントがあります。
もらい上手な人は、「もらっているようで、実は与えている」のです。

何を与えているのか。それは、感謝、喜び、エネルギー、感動といった目に見えないものです。
誰かにプレゼントを渡して、心から喜んでもらえた瞬間、自分も嬉しくなりますよね。それは、モノをあげた代わりに、感情という価値を受け取っているからです。

受け取る側に立ったときも、「どうしたら相手が気持ちよくなるか」を考えることは、一種のプレゼンテーション能力とも言えるでしょう。

「何を提供できるか」を考える

お金やモノだけが価値ではありません。
わらしべ長者の話が示すように、価値は交換によって生まれます。クラウドファンディングでも、お金が返ってこなくても支援が集まるケースがあります。それは、お金以外のリターンにワクワクできるからです。

「自分には何も提供できない」と思っている人ほど、一度考えてみてください。
時間、行動、応援、感想、感謝、実行力——工夫すれば、必ず何かは見つかります。

計算でも構いません。本音が一番ですが、何も伝わらないより、伝わる方がずっといい。
「どうしたら伝わるか?」を考えること自体が、受け取り上手への第一歩です。

受け取り上手は、相手も豊かにする

受け取り上手は、相手も豊かにする

受け取り上手になることは、自分の人生をお得にするだけではありません。
相手の喜びを増やし、人間関係を温かくし、巡り巡って自分にも返ってきます。

受け取ることは、決して弱さではありません。
上手に受け取れる人は、強く、しなやかで、そして人生を豊かに生きている人なのだと思います。