「オルカン+金=ゴルカン」株式とゴールドの組み合わせファンドってどうなの?

株式と金を組み合わせた投資商品は本当に魅力的なのか

株式と金を組み合わせた投資商品は本当に魅力的なのか

近年、資産運用に関する話題の中で、株式と金を組み合わせた投資商品が注目を集めています。背景には、ここ数年続いてきた世界的な株式市場の好調さと、インフレ環境の中で評価を高めてきた金価格の上昇があります。どちらも成績が良い資産であるため、「この二つを組み合わせれば、より安定的で魅力的な運用ができるのではないか」と考える人が増えるのも無理はありません。

実際、ここ最近は株式と金をセットにした投資信託が次々と登場しています。全世界の株式と金を組み合わせたもの、特定の株式市場と金を組み合わせたもの、あるいは債券と金を組み合わせたものなど、さまざまなバリエーションが見られます。一見すると分散投資が簡単にできそうで、初心者にもやさしい商品に見えるかもしれません。

しかし、こうした商品に投資する前に、冷静に確認しておくべき重要なポイントがあります。それが「コスト」です。

金価格の上昇と投資家心理

金価格の上昇と投資家心理

金は長い歴史を持つ資産であり、インフレや通貨価値の下落に対する備えとして保有されることが多い存在です。過去を振り返ると、一定期間は価格が横ばいで推移していた時期もありましたが、世界的な物価上昇や不安定な経済環境を背景に、近年は大きく評価を高めてきました。年間の値上がり率が株式市場に匹敵、あるいはそれを上回る年もあり、「株式に負けない成績を残した資産」として注目を集めています。

こうした状況を見ると、「株式も好調、金も好調。ならば両方を一つの商品で持てばよいのではないか」と考えるのは自然な流れでしょう。金融商品が次々と企画されるのも、こうした投資家心理を反映した結果だと考えられます。

見た目の魅力と実際の中身

株式と金を組み合わせた投資信託の多くは、「これ一本で分散投資ができる」「運用はすべて任せられる」といった分かりやすいコンセプトを掲げています。名称や説明も工夫されており、投資経験が浅い人ほど魅力的に感じやすい構成になっています。

しかし、こうした商品を評価する際に、最初に確認すべきなのは「どの資産に投資しているか」ではなく、「いくらコストがかかるか」です。なぜなら、投資の世界においてコストは、将来のリターンを確実に押し下げる要因だからです。

ある株式と金を組み合わせたファンドを例にすると、購入時に手数料がかかり、保有中は毎年一定割合の運用管理費用が差し引かれ、途中で解約する際にも追加のコストが発生します。これらを合計すると、年間で1%を超える負担になるケースも珍しくありません。

自分で組み合わせた場合との比較

では、同じ内容の投資を自分で行った場合はどうでしょうか。例えば、低コストで運用されている全世界株式のインデックス型投資信託と、金価格に連動する低コストの商品を別々に保有した場合、それぞれの年間コストはごくわずかに抑えられます。購入時の手数料がなく、解約時の負担もなく、保有中のコストも年率で0.1%前後という商品は決して珍しくありません。

この場合、株式と金の比率は自分で調整できますし、必要に応じてどちらか一方を増減することも可能です。にもかかわらず、わざわざ高いコストを支払って「抱き合わせ商品」を選ぶ合理的な理由は見当たりません。

コストの差は将来の差になる

一見すると、年1%程度のコスト差は小さく感じられるかもしれません。しかし、資産運用は長期間にわたって行うものです。10年、20年と運用を続ければ、このわずかな差が最終的な資産額に大きな違いを生みます。

実際、これまで数多くの調査や実績から、長期的には多くのアクティブファンドが低コストのインデックスファンドに勝てていないことが知られています。その最大の理由が「コスト」です。運用がどれほど上手くいったとしても、高い手数料を差し引かれ続ければ、投資家の手元に残る利益は減ってしまいます。

投資で大切にすべき考え方

資産運用の基本は、「無駄なコストを徹底的に排除すること」です。コストはリスクと違い、確実に発生するマイナス要因です。将来の値動きは誰にも予測できませんが、手数料が差し引かれることだけは確実だからです。

もし「プロが比率を調整してくれる」「運用の腕前に期待したい」と考える人がいたとしても、その期待に見合うだけのコストかどうかは、慎重に判断する必要があります。他人を儲けさせるためにお金を払うのではなく、自分の資産を守り、増やすための選択をすることが重要です。

今回のまとめ

今回のまとめ

新しい投資信託が登場したとき、まず確認すべきなのは宣伝文句ではなく「コスト」です。年率1%を超える手数料を支払う価値が本当にあるのか、冷静に考えてみてください。

また、複数の資産を組み合わせた商品であれば、それぞれを最低コストの商品で個別に保有した場合と必ず比較しましょう。このひと手間を省いてしまうと、長期的に大きな損失につながる可能性があります。

もし「コストの見方が分からない」「どの商品が低コストなのか判断できない」と感じているなら、それは伸び代がある証拠です。基本を少しずつ学ぶだけで、資産運用の成果は大きく変わってきます。焦らず、確実に知識を身につけながら、自分にとって納得できる投資を続けていきましょう。