― 稼げば稼ぐほど罰せられる国で、私たちはどう生きるべきか ―

「知れば知るほど、税金の仕組みは複雑で、しかも高い。
できることから頑張っているつもりなのに、なかなか生活が良くなった実感が持てません。
豊かな生活を実現するために、税金とどう向き合えばいいのでしょうか?」
こんな質問をいただきました。
この感覚、きっと多くの人が心のどこかで感じているのではないでしょうか。
毎月の給与明細を見ると、所得税や住民税、社会保険料が差し引かれ、手取りは思ったよりも少ない。
買い物をすれば消費税がかかり、将来に向けて資産を残そうとすれば相続税の心配も出てくる。
「いくら頑張っても、前に進んでいる感じがしない」――そう感じるのも無理はありません。
本記事では、
① 今の日本の税制がどのような構造になっているのか
② その中で、私たちはどう生き方を考えるべきなのか
この2点について、順を追って整理していきます。
稼げば稼ぐほど罰せられる仕組み
まず、日本の所得税は「累進課税」が採用されています。
これは、所得が増えるほど税率も高くなる仕組みです。
たとえば、所得195万円以下の場合の所得税率は5%。
一方、所得が4,000万円を超えると税率は45%にまで跳ね上がります。
さらに住民税が一律10%かかり、社会保険料まで含めると、実質的に収入の半分近くを公的負担として納めている人も珍しくありません。
イメージしやすく例えるなら、
月20日働く人が、低所得層では「1日分」を税金のために働いているのに対し、
高所得層では「7日分以上」を国や自治体のために働いている、という感覚です。
平成26年以前は、所得税の最高税率は40%でしたが、税制改正によって45%へ引き上げられました。
「頑張って稼いだ分だけ多く取られる」という構造が、より強化されたのです。
当然ながら、「もっと稼いだら、もっと税金を払えるから嬉しい」と思う人は多くありません。
稼げば稼ぐほど負担が増える仕組みは、働く意欲を削ぐ方向に働いてしまいます。
使えば使うほど罰せられる消費税
次に、お金を「使う」ことに対する税金、消費税です。
現在の税率は10%。つまり、1万円使えば1,000円は税金として納めることになります。
人は基本的に合理的な行動を取ります。
使えば使うほど税金が取られると分かっていれば、「なるべく使わないでおこう」と考える人が増えるのは自然な流れです。
しかし一方で、日本は歴史的な低金利の時代。
銀行に預けていても、利息はほとんど期待できません。
インフレ(物価上昇)を考慮すれば、実質的にお金の価値は目減りしていく可能性すらあります。
つまり今の日本では、
・使えば罰せられる
・貯めても増えない
という、非常に閉塞感のある状況が生まれているのです。
消費税率も、3%→5%→8%→10%と一貫して上昇してきました。
この流れが今後、逆回転するとは考えにくいのが現実でしょう。
残せば残すほど罰せられる相続税
さらに、「お金を残す」ことにも税金がかかります。
相続税・贈与税です。
平成27年の税制改正では、相続税の基礎控除が大幅に引き下げられました。
以前は「5,000万円+(1,000万円×法定相続人)」でしたが、
現在は「3,000万円+(600万円×法定相続人)」となっています。
この改正により、これまで相続税と無縁だった家庭にも、課税される可能性が広がりました。
さらに、相続税の最高税率は50%から55%へ引き上げられています。
稼いでも、使っても、残しても負担が増える。
これが、今の日本の税制の大きな特徴です。
それでも、どう生きるか
社会保障費が増大する少子高齢化社会において、税金そのものを否定することはできません。
道路や医療、公共サービスを利用している以上、納税は社会の一員としての義務です。
ただし、社会システムを維持するために、自分の人生の大半を捧げることが本当に最適なのか。
ここは一人ひとりが向き合うべき問いだと思います。
現実的な選択肢として、多くの専門家が指摘しているのは、
「そこそこ稼ぎ、そこそこ使い、そこそこ残す」というバランスです。
過剰に稼ごうとすれば負担が重くなり、
過剰に使えば税金が増え、
過剰に残せば将来の課税対象になる。
だからこそ重要なのが、「労働収入以外の選択肢」を持つことです。
特別なスキルがなくてもできる資産運用
結論から言えば、豊かな生活を実現するために「株を持たない」という選択肢はほぼありません。
株式投資にかかる税率は約20%と、労働所得に比べて明確に優遇されています。
さらに、iDeCoや新NISAといった制度を活用すれば、一定額まで非課税で運用することも可能です。
預金よりも高いリターンが期待でき、インフレ対策にもなる。
もちろんリスクはありますが、正しい知識を持って長期的に取り組めば、十分に検討する価値があります。
情報技術が発達した今、世界中の優良資産に、低コストでアクセスできる時代になりました。
これは、逆風の日本において数少ない「希望」と言えるかもしれません。
まとめ:お金にまつわる5つの力を育てよう

豊かな生活を実現するためには、次の5つの力が重要です。
- 貯める力(支出を抑える)
- 増やす力(資産運用・配当・利子)
- 稼ぐ力(給与・事業)
- 使う力(人生を豊かにする消費)
- 守る力(資産を減らさない)
すべてを完璧にする必要はありません。
バランスよく育てていくだけで、家計の流れは大きく変わります。
「今からでは遅いのでは?」という声もよく聞きます。
しかし、今日が人生で一番若い日です。
行動するなら、今この瞬間が最も早い。
税制の現実を正しく知り、正しい知識を身につけ、少しずつ行動していきましょう。
それが、厳しい時代を生き抜くための、最も現実的な一歩です。