ウォーターサーバーの勧誘トラブルが過去10年で最多に

――「おいしい話」から身を守るために、私たちができること
近年、私たちの身近な生活にすっかり定着したウォーターサーバー。
自宅で手軽に安全な水が使える便利なサービスとして利用している方も多いでしょう。
しかしその一方で、ウォーターサーバーの契約を巡るトラブルが急増しているとして、国民生活センターが注意喚起を行っています。
2023年には、相談件数が過去10年で最多となり、今後も増加が懸念されている状況です。
特に問題となっているのが、ショッピングモールや家電量販店などでの対面勧誘です。
「そんなところで?」と思うかもしれませんが、実際に多くの人がこの場所で声をかけられ、思わぬトラブルに巻き込まれています。
よくあるウォーターサーバー契約トラブル事例
まずは、実際に寄せられている代表的なトラブルを見てみましょう。
事例①:説明と契約内容が違う
大手ショッピングモールで声をかけられ、
「いつでも解約できますよ」
「サーバー代も無料です」
と説明されたため安心して契約。
ところが、後日届いた契約書を確認すると、
5年以内に解約した場合は高額な解約金が発生する
という内容が記載されていました。
慌てて解約を申し出たところ、
「契約書にサインしていますよね。無効にはできません」
と突っぱねられてしまった、というケースです。
事例②:「キャッシュバック」が受け取れない
「他社を解約して当社に乗り換えていただけるなら、違約金分をキャッシュバックしますよ」
という説明を受けて契約。
しかし、いざキャッシュバックを申請すると、
「その契約は対象外です」
と断られてしまう。
言われていた条件と実際の対応が異なる、極めて悪質なケースです。
トラブルが多発する場所はどこか
国民生活センターによると、最もトラブルが多いのは大型ショッピングモールです。
・風船やおもちゃを配っている
・子ども向けのイベントを行っている
・親子連れが立ち止まりやすい雰囲気
こうした場所で、子どもにつられて立ち止まった親が声をかけられ、そのまま長時間説明を受けて契約してしまう――
この流れが非常に多いといいます。
楽しい雰囲気の中では警戒心が下がりやすく、冷静な判断が難しくなります。
そこを巧みに突いてくるのが、こうした勧誘の特徴です。
このニュースから学びたい「守る力」①
相手から「おいしい話」はやってこない
まず、最も大切な原則があります。
知らない相手から、都合のいい話が向こうからやってくることはありません。
これはウォーターサーバーに限らず、あらゆる勧誘に共通するルールです。
例えば、こんな経験はありませんか?
・「ネット回線が安くなるので乗り換えませんか?」
・「無料で屋根の点検をしますよ」
・「国の助成金を使えば太陽光で電気代がお得になります」
そこに共通して並ぶ言葉は、
「無料」「実質タダ」「キャッシュバック」「今だけ」
といった魅力的なワードです。
しかし、こうした言葉は注意すべき“毒キノコワード”でもあります。
一見お得に見えても、その裏には必ず相手側の利益があります。
投資でも買い物でも同じです。
「うまい話ほど疑う」
この姿勢が、自分の資産を守る第一歩になります。
このニュースから学びたい「守る力」②

対面の窓口に行ってはいけない
次に、もう一つ重要なポイントです。
対面型の窓口や、その場で契約を迫る販売手法には近づかないこと。
・保険の無料相談窓口
・銀行の窓口
・証券会社の窓口
・FPの無料相談
一見すると安心感がありますが、対面販売の本質は、
不安を煽り、考える時間を奪い、その場で決断させることです。
正常な思考ができている相手には、本来売れない商品だからこそ、
「今すぐ決めないと損しますよ」
「私、もうすぐ移動しなきゃいけなくて…」
と急かしてきます。
そして、自分たちに都合の悪い説明は記録に残しません。
「解約料はかからないと言われた」
「いつでもやめられると言われた」
そう思っても、契約書に書いていなければ証拠にならないのです。
対面だからこその怖さ
「ネットは怖いけど、対面なら安心」
そう思っている人は少なくありません。
しかし現実には、対面だからこそのリスクも存在します。
最近では、
・証券会社の社員が高齢者から多額の現金を奪った事件
・銀行員が顧客の預金を着服した事件
など、信頼関係を悪用した犯罪が相次いでいます。
相手が自分の資産状況を把握しているからこそ起きる被害です。
「顔が見える安心感」は、必ずしも「安全」を意味しません。
今の時代、
家電も、保険も、金融商品も、
多くのものはネットで比較し、冷静に選ぶ方が安全で合理的です。
被害を防ぐために、最低限守りたい3つのルール

最後に、覚えておいてほしいシンプルなルールをまとめます。
- 対面販売(相手のテリトリー)に行かない
- 営業されてもその場では決めない
- 必ず持ち帰り、信頼できる人(できれば複数人)に相談する
その場で決断力を発揮する必要はありません。
一日、二日考えても、ほとんどの契約は問題なく間に合います。
自分のお金を一番大切にできるのは、他の誰でもなく自分自身です。
便利なサービスが増える一方で、
それを利用する私たちには「守る力」がますます求められています。
富を堅守せよ。
この意識を忘れずに、賢く安全に生活していきましょう。