雇用保険に未加入でも「職業訓練」は受けられる?

雇用保険に未加入でも「職業訓練」は受けられる?

知らないと損する「職業訓練制度」

知らないと損する「職業訓練制度」

失業中でも、未経験でも、無料でスキルを身につけられる社会保障の仕組み

職業訓練制度とは何か

「職業訓練」と聞いて、具体的な内容まで説明できる人はそれほど多くありません。
実はこの制度、失業中の人やこれから再就職を目指す人にとって、非常に心強い社会保障の一つです。

職業訓練制度とは、仕事を探している人を対象に、働くうえで必要な知識やスキルを身につけてもらうための公的な仕組みです。再就職をスムーズに進めることを目的としており、原則として受講料は無料。つまり「再就職のために必要なスキルを、国の制度として学べるサービス」だと言えます。

近年、失業中に新しいスキルを身につけたい人や、非正規雇用から正社員への転職を目指す人、フリーランスや自営業をやめて再就職を考える人が大きく増えています。こうした人たちにとって、職業訓練制度は非常に相性の良い制度です。

雇用保険と職業訓練の関係

職業訓練制度は、雇用保険制度の中で運営されています。
雇用保険と聞くと、多くの人は「失業したときにもらえるお金」を思い浮かべるかもしれません。確かに、失業中の生活を支える給付は代表的な役割の一つです。

しかし雇用保険は、それだけではありません。
再就職を後押しするための支援や、スキルアップのための仕組みも含まれており、職業訓練はその代表例です。保険料は比較的低額であるにもかかわらず、内容は非常に充実しています。民間の保険では到底まねできないほど、コストパフォーマンスの高い制度だと言えるでしょう。

クイズで確認:誰が職業訓練を受けられるのか

クイズで確認:誰が職業訓練を受けられるのか

ここで一つ、よくある誤解について確認してみましょう。

「雇用保険に加入していない人は、職業訓練を受けられない」
これは正しいでしょうか。

答えは「いいえ」です。

実は、雇用保険に加入していなかった人でも利用できる職業訓練制度が存在します。
「保険なのに、加入していない人まで使えるの?」と不思議に思うかもしれませんが、これは社会保障制度が持つ「助け合い」の考え方によるものです。

雇用保険に入っていなくても使える「求職者向け支援制度」

雇用保険に加入していない人や、給付を受け終わったあとも就職先が見つからない人のために用意されているのが、求職者向けの支援制度です。

この制度の対象となるのは、次のような人たちです。
・雇用保険に加入していなかった人
・雇用保険の給付が終了したものの、再就職できていない人
・フリーランスや自営業を廃業し、就職を目指している人

こうした人でも、再就職のために必要なスキルを無料で学ぶことができます。

制度の内容と支援の仕組み

求職者向け支援制度では、以下のようなサポートが用意されています。

まず、職業訓練の受講料は原則無料です。テキスト代などの実費は自己負担となる場合がありますが、高額な学費が必要になることはほとんどありません。

さらに、専門窓口による就職活動のサポートも受けられます。応募書類の書き方や面接対策など、再就職に向けた実践的な支援が行われます。

加えて、一定の収入要件などを満たした場合には、訓練期間中の生活支援として、毎月定額の給付と交通費相当額が支給される仕組みもあります。学びながら生活を維持できるよう、配慮された制度設計になっています。

どんな訓練が受けられるのか

職業訓練の内容は非常に幅広く、基礎的なものから専門的な分野まで用意されています。

例えば、パソコン操作や事務スキルを学ぶコース、販売や営業に関するコース、医療や福祉分野、デザイン分野など、多様な選択肢があります。未経験からでも挑戦できる内容が多く、「スキルがないから就職できない」という悩みを解消する手段になり得ます。

なぜ国はここまで支援するのか

こうした制度が用意されている背景には、社会全体の利益があります。
一人ひとりがスキルを身につけ、安定した仕事に就くことで、失業率が下がり、生産性が高まります。その結果、企業の業績や賃金、税収が増え、経済全体が良い循環に入ります。

つまり、職業訓練制度は個人のためだけでなく、社会全体にとってもプラスになる仕組みなのです。そのため、怪しい話や裏のある制度ではなく、安心して活用できる公的な支援だと言えます。

似ているけれど別物の制度に注意

なお、職業訓練制度と名前が似た制度として、別のスキル支援制度があります。
こちらは在職中の人も利用できる、有料講座の費用を一部補助する仕組みです。

重要なのは、両者は目的も対象者も異なる「別の制度」だという点です。混同しないよう注意が必要です。

まとめ:知っているかどうかで差がつく制度

まとめ:知っているかどうかで差がつく制度

最後に、ポイントを整理します。

・雇用保険に加入していなくても利用できる職業訓練制度がある
・無料でスキル習得と就職サポートを受けられる
・条件を満たせば、訓練期間中の生活支援も受けられる

ただし、誰でも気軽に利用できるわけではありません。
欠席せず真面目に受講すること、本気で就職を目指していることが求められます。学びそのものが目的の場合には、利用が難しいケースもあります。

それでも、「就職のために新しいスキルが必要」「これまで制度を使えなかった」という人にとっては、大きな助けになるはずです。
制度を知っているかどうか、それだけで将来に大きな差が生まれることもあります。社会保障は、知って使ってこそ意味があります。ぜひ頭の片隅に置いておいてください。