【お金のニュース】「実質賃金」が4か月連続マイナスに。物価上昇にどう備える?

2025年1月9日、厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によると、
2024年11月の働く人一人あたりの現金給与総額は前年比3.0%増でした。
一見すると賃金が上がっているように思えますが、物価上昇の勢いがそれを上回った結果、
実質賃金は4か月連続でマイナスという厳しい状況が続いています。

物価が上がり続ける中で、給与の増加が追いつかない。
つまり、お金の「見た目」は増えても、生活の「中身」は苦しくなっているということです。

◆ 実質賃金がマイナスってどういうこと?

◆ 実質賃金がマイナスってどういうこと?

実質賃金とは、「給与の伸び」と「物価の伸び」を比較して、
生活水準がどの程度上がっているのかを測る指標です。

たとえば、月給が3,000円上がっても、食料品や光熱費がそれ以上に上がっていたら、
実質的な生活の豊かさは下がります。
それがまさに、今の日本の姿です。

2024年半ばには一時的にプラス圏に浮上した時期もありましたが、
その後は再びマイナスが定着。
少しずつ家計の負担が積み重なり、
「なんとなく生活がきつくなってきた」と感じる人が増えているのです。

◆ 日本は「何もしなくても豊かになれる国」ではない

高度経済成長期のように、働いていれば自然に給料が上がり、
貯金も増える――そんな時代はもう終わりました。
今の日本は、何もしなければジリ貧になる構造の中にあります。

物価上昇が進む一方で、企業の生産性はなかなか伸びず、
賃上げの勢いも限られています。
つまり、私たち一人ひとりが「どう動くか」で将来の豊かさが決まる時代に入ったのです

◆ 物価上昇に強い企業・業界に注目を

このような中でも、明るいニュースもあります。
最近は「初任給引き上げ」の動きが相次いでおり、
一部の企業では明確に物価上昇を上回るペースで賃金を上げています。

たとえば――

  • 三井住友銀行は、2026年入行の新卒初任給を**30万円(+4.5万円)**に。
    これは大手銀行では初めての「初任給30万円台」到達です。
  • ユニクロ(ファーストリテイリング)も初任給を30万円→33万円へと引き上げ、
    年収500万円を超える水準に。
  • 明治安田生命は、全国転勤枠の初任給を24万円→27万円へ改定。
    固定残業代込みでは33万円超となり、業界最高水準です。

こうしたニュースに共通するのは、
優秀な人材を確保したい企業は、しっかりお金を出している」という点です。
物価上昇が進む今、賃金の高い企業・業界を見極めることが、
生活を守る第一歩になります。

◆ 「比較の方向」を間違えないこと

◆ 「比較の方向」を間違えないこと

ここで注意したいのは、比較の仕方です。

「大企業の初任給は30万円なのに、自分の会社はこれだけ…」
――そんなふうに比べても、モチベーションは下がるばかり。

そうではなく、
「自分の今の給料より高い会社はどこか」
「自分のスキルを生かせる業界で、賃上げが進んでいるところはどこか」
という視点で考えてみてください。

中小企業でも、利益をしっかり出し、社員に還元している会社は数多くあります。
ニュースには出なくても、“見えない優良企業”は確かに存在しています。

◆ 「投資で一発逆転」より「稼ぐ力」を育てよう

給料が上がらないと、「投資で取り戻そう」と考える人も増えます。
たしかに、投資は資産形成において重要な手段ですが、
「収入が増えない状態」での投資頼みは危険です。

個別株や投資信託を一生懸命調べても、
本業の収入が上がらなければ、投資の元手が増えません。
それよりも、今の時代に合ったスジの良いビジネスモデルを持つ企業を見つけ、
そこに貢献できる自分を作ることが、最終的には一番のリターンを生みます。

つまり、「稼ぐ力」こそが、これからの日本で最も重要な資産なのです。

◆ 3つの「力」で物価上昇に負けない家計を

◆ 3つの「力」で物価上昇に負けない家計を

これからの時代、個人が豊かさを維持するには、次の3つの力が鍵になります。

  1. 貯める力
     無駄な支出を見直し、手元資金をしっかり残す。
     家計簿アプリなどを活用して「お金の流れを可視化」することが第一歩です。
  2. 増やす力
     長期・分散・積立を基本に、時間を味方にした投資を行う。
     焦って一発を狙うよりも、「着実に育てる」方がリスクを減らせます。
  3. 稼ぐ力
     スキルアップ、副業、キャリア転職などを通じて、
     物価上昇率以上の収入増を目指す。
     特にIT・金融・医療・物流などは今後も人材需要が高い分野です。

これら3つの力を組み合わせることで、
「給料が上がらない」「物価が上がる」状況でも、
家計を安定させ、未来への不安を減らすことができます。

◆ 最後に:2025年は「稼ぐ力」がテーマの年

これまで多くの人が「節約」や「投資」で資産を守ってきました。
しかし、2025年はもう一歩踏み込んで、「稼ぐ力」に焦点を当てる年にすべきです。

家計管理がしっかりしている人ほど、稼ぐ力を伸ばすと結果が出やすい。
20年かかると思っていたFIRE(経済的自立)が10年で達成できるようになるかもしれません。

「自分には無理」と思う必要はありません。
まずは今の仕事の中でできるスキルアップから始めましょう。
次に、転職市場や副業のチャンスを調べてみる。
その積み重ねが、確実にあなたの「豊かさ」を取り戻す第一歩になります。

物価上昇の波は避けられません。
でも、流されるか、乗りこなすかは自分次第です。

2025年、あなたが選ぶべき道は――
「ただ耐える」ではなく、「動いて掴む」一年にすること。

少しずつでも構いません。
知識を身につけ、スキルを磨き、
「物価に負けない自分」を作っていきましょう。