お金の講義
冬のボーナスで「やってはいけないこと」三選

年末が近づくと、新聞やインターネットでは「冬のボーナス」に関する話題が目立つようになります。多くの人にとって、ボーナスは一年の頑張りが形となって返ってくる、特別なお金です。そのため、金額の大小にかかわらず、気持ちが浮き立つのも無理はありません。
今年の冬も、ボーナスに関する明るいニュースが報じられました。調査によると、主に大企業を中心とした企業群では、冬のボーナスの平均支給額が80万円を超え、過去最高水準に達したとされています。前年と比べても増加しており、この傾向は数年続いています。数字だけを見ると、「景気が良くなってきた」「給料も少しずつ上向いている」と感じる人も多いでしょう。
しかし、このニュースを少し冷静に見てみると、注意すべき点も浮かび上がってきます。というのも、この高い平均値を支えているのは、主に規模の大きな企業だからです。一方で、中小規模の企業に目を向けると、冬のボーナスを支給した、あるいは支給予定と回答した企業は全体の3割強にとどまっています。しかも、その割合は前年より減少しています。
さらに、ボーナスを支給する企業であっても、平均支給額は大企業と比べるとかなり低い水準です。また、公的な組織で働く人についても、一定の増加は見られるものの、制度や予算の影響を強く受けるため、将来にわたって安定して増え続けるとは限りません。
このように見ていくと、「ボーナスが過去最高」という言葉の裏には、立場や環境による大きな差が存在していることが分かります。だからこそ大切なのは、ニュースの数字に振り回されるのではなく、「自分はボーナスとどう向き合うか」を考えることです。
そこで今回は、お金の講義として、冬のボーナスでやってはいけないことを三つお伝えします。金額の多い少ないに関係なく、誰にとっても重要な考え方です。
やってはいけないこと①
他人と比べること

ボーナスの話題が出ると、つい他人と自分を比べてしまう人は少なくありません。
「自分より少ない人がいてホッとした」
「自分より多い人を見て、なんだかモヤモヤした」
こうした感情は、とても人間らしいものです。誰しも一度は経験があるでしょう。ただ、はっきり言ってしまうと、他人と比べて得られるものはほとんどありません。
自分より少ない人を見て安心しても、家計が良くなるわけではありません。自分より多い人を見て嫉妬しても、収入が増えるわけでもありません。むしろ、感情だけが消耗してしまいます。
本当に比べるべき相手は、他人ではなく「過去の自分」です。
・自分の賞与は去年より増えているのか
・自分が納得できるペースで増えているのか
・そのお金を貯蓄や投資に回したとき、家計はどれくらい強くなるのか
こうした視点で自分自身を見ることが重要です。
もし数年単位で見て、収入や貯蓄がほとんど増えていないのであれば、「お金の流れが良い場所に身を置けていない可能性がある」と考える必要があります。今の働き方や環境を続けるべきなのか、それとも変化を検討すべきなのか。ボーナスは、そうしたことを考えるための材料でもあるのです。
やってはいけないこと②
赤字の補填に使うこと

ボーナスが支給されたにもかかわらず、気づいたらすぐに消えてしまった、という人もいます。その原因の多くは、過去の支出の穴埋めです。
例えば、
・ローンの返済に充てて終わる
・使いすぎたクレジットカードの請求で消える
このような状態は、典型的な自転車操業です。これから入る予定のお金を当てにして、先に使ってしまう。これを繰り返している限り、家計が安定することはありません。
物価は上がり、税や社会保険の負担も増えています。生活が厳しい事情を抱えている人もいるでしょう。それでも、赤字をボーナスで埋め続ける生活から抜け出さなければ、将来は楽になりません。
今回のボーナスを赤字補填に使ってしまった人は、これを最後にするつもりで、次の一年を設計してみてください。ボーナスがなくても回る家計を作ることが、長期的な安心につながります。
やってはいけないこと③
もらったら全部使ってしまうこと

「ローンの支払いよりはマシだから」と、ボーナスをすべて使ってしまう人もいます。確かに後払いで消えるよりは健全に見えますが、これも注意が必要です。
ボーナスは、月給と比べて安定性の低い収入です。企業の業績次第で、減ることも、なくなることもあります。そんな see不安定なお金を前提に生活水準を上げてしまうと、将来ボーナスが減ったときに大きな負担になります。
基本的な考え方はシンプルです。
・生活は月給の範囲で回す
・ボーナスは将来のために使う
どうしても使いたい場合でも、「使う額と同じだけを貯蓄や投資に回す」というルールを設けるとよいでしょう。例えば、40万円使うなら40万円は残す。こうすることで、家計は確実に強くなりますし、罪悪感なくお金を使うこともできます。
まとめ
冬のボーナスに関するニュースを見たときこそ、冷静に自分の状況を振り返るチャンスです。
特に、次の三つをしていないか確認してみてください。
- 他人と比べて一喜一憂していないか
- 赤字の穴埋めに使っていないか
- もらった分をすべて使い切っていないか
ボーナスへの向き合い方には、その人の未来が表れます。不平や嫉妬、過剰な消費に流されず、堅実なスタイルを貫いた先に、経済的な余裕のある暮らしがあります。一歩ずつ、小さな積み重ねを大切にしていきましょう。