借金なんてするんじゃない
―知らないうちに人生を縛る「借金」との正しい向き合い方―
私たちの生活は、思っている以上に「借金」と隣り合わせです。
金利が低いから大丈夫、分割払いだから問題ない、今は返せているから平気。
そう考えているうちに、いつの間にか将来の自由を失ってしまう人は少なくありません。
今回は、多くの人が無意識のうちに抱えてしまう借金の実態と、避けるべき考え方、そして健全な家計を作るためのポイントについて整理していきます。
借金には「良い借金」と「悪い借金」があるのか

一般的に言われる「良い借金」とは、借りたお金以上の価値を生み出す可能性が高いものです。
たとえば、明確な収益計画があり、借りたお金を使うことで確実に収入が増える見込みがある場合です。
一方で、借りた瞬間から価値が減っていくものは、典型的な悪い借金です。
浪費目的のローンや、単に欲しいものを手に入れるための借金は、ほぼ例外なくこちらに該当します。
重要なのは、「借りた理由」ではなく、「借りた結果としてお金が増えるのか」という視点です。
無意識にやってしまう“借金らしくない借金”
多くの人が借金だと認識していないものの代表例が、分割払いです。
特に、身近な生活用品やサービスの分割購入は、借金という感覚がほとんどありません。
しかし実態は、「先に物を手に入れ、後からお金を返している」だけで、構造は完全に借金と同じです。
支払いが滞れば、信用情報に影響が出ることもあります。
少額を毎月払っているだけなので危機感が薄れがちですが、
「一度に借りて、分割で返している」のと本質は変わりません。
住宅ローンは特別なのか
住宅購入に関する借金は、多くの人が「仕方のないもの」と考えがちです。
確かに、税制上の優遇制度があるため、表面的には有利に見えることもあります。
しかし、忘れてはいけないのは、借金である事実は変わらないという点です。
金利が低くても、金額が大きく、返済期間が長いため、最終的に支払う利息は非常に高額になります。
家の価値が上がるかどうかと、ローンの有利不利は別問題です。
返済に追われ、生活が苦しくなってしまえば、本末転倒と言えるでしょう。
どんな借金を優先して返すべきか

基本的な考え方はシンプルです。
借金は、ない方がいい。返せるなら早く返す。
どうしても優先順位をつける必要がある場合は、
- 金利が高いもの
- 残額が少なく、一気に返せるもの
この順番で返済を進めると、毎月の支払い負担を効率よく減らすことができます。
低金利だから返さずに投資してもいい?
「借金の金利が低いなら、返済せずに投資した方が得では?」
こうした考えを持つ人は少なくありません。
理論上は成立するように見えますが、実際には非常に難易度が高い判断です。
毎月の資金繰り、投資の不確実性、精神的な負担など、考慮すべき要素は膨大です。
そもそも借金を抱えた状態で、長期的に安定した投資を続けるのは困難です。
まずは借金を整理し、安心して生活できる状態を作る方が、結果的に資産形成は早く進みます。
生活防衛資金と借金返済のバランス
生活費を数か月分確保する「生活防衛資金」は非常に重要です。
ただし、高金利の借金を抱えたまま防衛資金を貯めようとすると、なかなか前に進みません。
一つの目安として、最低限の生活費を残しつつ、金利の高い借金から返済していく方法が現実的です。
借金は確実に続く負担ですが、非常時は周囲に頼る選択肢もあります。
奨学金は報われやすい借金だが万能ではない
教育のための借金は、将来の収入増につながる可能性が高いため、比較的報われやすいと言えます。
ただし、それでも返済が長期間にわたり、若い時期の選択肢を狭めてしまう現実があります。
本来は、事前に計画的な準備をしておくべきものであり、
「借りればいい」という安易な考え方は避けるべきです。
家計において「良い借金」はほぼ存在しない
日常生活における借金で、確実にプラスになるものはほとんどありません。
車や家電、サービス購入などは、基本的に価値が下がるものです。
借金してまで手に入れる必要があるか、一度立ち止まって考えることが大切です。
借金は人の判断力を奪う
借金を抱えると、人は常に返済のことを考え続けることになります。
その結果、焦りや不安が増し、冷静な判断ができなくなりがちです。
研究でも、借金によって判断力が低下する傾向が示されています。
本来使うべき時間や思考力が、借金対応に奪われてしまうのです。
借金をしない家計を作るために

最も大切なのは、収入の範囲内で生活することです。
一つの目安として、手取り収入の8割程度で生活できる家計を目指しましょう。
予算を決め、その範囲内でやりくりする。
これを徹底するだけで、借金に頼る可能性は大きく下がります。
まとめ:借金ゼロの家計こそが最大の安心
借金は、身近でありながら、人生に大きな影響を与える存在です。
気づかないうちに自由を奪い、選択肢を狭めてしまいます。
まずは借金を増やさないこと。
そして、できるだけ早くゼロにすること。
健全な家計を築く第一歩は、
「借金なんてしない」
この強い意識を持つことから始まります。