「今の仕事は嫌いではない。でも、このまま同じ働き方を続けて将来は本当に大丈夫なのだろうか」
長年会社員として働いてきた人ほど、ふとした瞬間にこのような不安を抱くことがあります。収入の伸び悩み、働き方の固定化、将来への漠然とした心配。そうした背景から、副業に興味を持つ人は年々増えています。
一方で、「副業は怖い」「失敗したらどうしよう」「会社に知られたら困る」といった不安が、最初の一歩を妨げているのも事実です。特に、これまで会社員以外の働き方を経験したことがない人にとって、副業は未知の世界に感じられるでしょう。
結論から言えば、副業には確かにリスクがあります。しかし、その多くは事前に知り、正しく対策を取ることで十分にコントロール可能です。実際に、副業を始めたことを心から後悔している人はほとんどいません。それどころか、「やってよかった」「もっと早く始めればよかった」と感じている人の方が圧倒的に多いのが現実です。
さらに忘れてはならないのは、「副業をしない」という選択にもリスクがあるということです。ここからは、会社員が副業を始める際に知っておきたい代表的な5つのリスクと、その向き合い方について詳しく見ていきましょう。
リスク① 会社に知られてしまう不安

副業を考える会社員にとって、最も大きな心理的ハードルが「会社に知られるのではないか」という点でしょう。副業を積極的に推奨する職場はまだ多くなく、明確な禁止規定がなくても、何となくやりづらい空気を感じるケースは少なくありません。
まず理解しておきたいのは、「副業をしている」という事実だけで、重い処分を受ける可能性は極めて低いということです。問題になるのは、副業そのものではなく、他のルールに違反した場合です。例えば、就業時間中に副業を行う、会社と競合する仕事をする、違法行為に関わる、業務上の情報を外部に漏らす、といった行為は明確にアウトです。
また、公式な処分とは別に、職場の人間関係がぎくしゃくする可能性も考えられます。妬みや誤解から、居心地が悪くなることもゼロではありません。
こうしたリスクへの現実的な対策としては、次の三つが有効です。
第一に、知られにくい形で行うこと。
第二に、仮に知られても問題にならない内容にすること。
第三に、最悪の事態でも選択肢を持てる状態を作っておくこと。
この三重の備えがあれば、「副業が怖い」という感情は大きく和らぐはずです。
リスク② 体調を崩してしまう可能性
本業に加えて副業を行えば、当然ながら活動時間は増えます。何の工夫もなく働き続ければ、心身に負担がかかるのは避けられません。実際、働きすぎによって体調を崩してしまう人もいます。
このリスクを避けるために大切なのは、「無理を前提にしないこと」です。副業は短距離走ではなく、長く続けることが前提になります。生活リズムを整え、睡眠時間を削らない工夫をし、副業に使う時間をあらかじめ決めておくことが重要です。
体は最大の資本です。副業で成果を出すためにも、健康を犠牲にしない姿勢が欠かせません。
リスク③ 人間関係への悪影響

副業に熱中するあまり、家族や友人との時間が減ってしまうケースもあります。忙しさを理由に大切な人との関係を後回しにしてしまうと、後になって大きな後悔につながりかねません。
「忙しい」「時間がない」という言葉が口癖になってきたときは、一度立ち止まって考える必要があります。副業は、人生を豊かにするための手段であって、周囲との関係を壊すためのものではありません。
そのためにも、「何のために副業をするのか」という目的を明確にしておくことが大切です。目的を見失わなければ、優先順位を誤ることも少なくなります。
リスク④ お金を失う可能性
副業と聞くと、「簡単に稼げる」というイメージを持つ人もいますが、現実はそれほど甘くありません。特に注意したいのが、過剰に魅力的な言葉で誘ってくる高額な商品やサービスです。
「誰でもできる」「すぐに稼げる」といった甘い言葉には、警戒心を持つべきでしょう。副業を始める目的はお金を増やすことのはずなのに、最初に大きな出費をしてしまっては本末転倒です。
おすすめなのは、初期費用がほとんどかからない方法から始めることです。仮にお金を使うとしても、無理のない範囲に抑え、副業で得た収入から賄えるようになってからにしましょう。
リスク⑤ 時間が無駄になる不安
副業は、努力した分が必ず報われるとは限りません。時間をかけたにもかかわらず、収入につながらないこともあります。これを「無駄だった」と感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、副業は給料が保証された働き方ではなく、成果に応じて報酬が決まる活動です。その分、うまくいったときのリターンはすべて自分のものになります。
時間を有効に使うためには、これまでに培ってきた経験やスキルを活かせる分野から始めることが有効です。完全に未知の分野よりも、成功の確率は高まります。
失敗を恐れすぎず、「学びがあれば無駄ではない」という視点を持つことが、副業を続けるうえでの大切な考え方です。
まとめ:副業は「怖いもの」ではない

副業には確かにリスクがあります。しかし、それは正しく理解し、備えることで大きく軽減できます。そして何より、副業を通じて得られるのはお金だけではありません。新しい視点、社外の人とのつながり、自分で稼ぐ力への自信。これらは、今後の人生において大きな財産になります。
完璧を求めず、小さく始めて、少しずつ経験を積んでいく。その姿勢こそが、会社員が副業と上手に付き合うための最良の方法と言えるでしょう。