【S&P500】「過去70年で1回しか起きていないこと」が、いま起きている?

S&P500に関して、少し気になるニュースが出ています。
それは、「S&P500を構成する銘柄のうち、指数そのものを上回るリターンを出しているのは、全体の3分の1しかない」というものです。
最近では、投資に興味を持つ人であれば知らない人はいないほど有名になった言葉が「オルカン(全世界株式)」と「S&P500」でしょう。中でもS&P500は、米国株投資の代表格として、多くの個人投資家に支持されています。
では、そのS&P500で、いま何が起きているのでしょうか。
S&P500とは何かを、あらためて確認する
S&P500とは、アメリカを代表する約500社の株価をもとに算出される株価指数です。
日本で言えば日経平均株価のような存在で、「この指数を見ればアメリカ経済の調子がだいたい分かる」と言われています。
イメージとしては、「アメリカ企業の詰め合わせパック」です。
スーパーで野菜を1つずつ選ばなくても、ブロッコリー、人参、大根、トマトなどがバランスよく詰め込まれたお弁当パックを買えば、全体を一度にカバーできますよね。S&P500も同じで、この指数に連動する商品を買うだけで、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーできると言われています。
2025年のS&P500は「絶好調」に見える
2025年のS&P500の成績は、ニュース公開時点で年初来およそ27%の上昇。
一般的に、S&P500の長期平均リターンは年7~10%程度と言われていますので、今年はかなり好調な年だと言えます。
「やっぱりS&P500は強い」
「米国株に投資していれば間違いない」
そう感じている人も多いのではないでしょうか。
しかし、ここで少し視点を変えてみる必要があります。
実は「多くの銘柄が勝っていない」

1990年から2024年までのデータを使い、「S&P500を構成する500銘柄のうち、指数そのものを上回るリターンを出した銘柄が何%あるか」を調べた分析があります。
これも野菜パックの例えで考えてみましょう。
500種類の野菜が詰まったパック全体の価格が、今年は27%上がったとします。しかし中身を1つずつ見てみると、
- 人参は50%上昇
- 大根は30%上昇
- 一方で、ブロッコリーはほとんど変わらない
- 中には値下がりしている野菜もある
という状況かもしれません。
2024年のデータを見ると、**S&P500のリターンを上回った銘柄は全体の31%**に過ぎませんでした。
つまり、約7割の企業は、指数ほどの成績を出せていないということです。
一部の銘柄が、全体を強く引き上げている
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
答えはシンプルで、「一部の銘柄が、指数全体を強く引っ張っている」からです。
代表例が、NVIDIA(エヌビディア)です。
NVIDIAは年初来で170%超の上昇を記録しました。また、Netflixも90%前後の上昇となっています。
こうした銘柄が指数に大きな影響を与えることで、S&P500全体としては「とても好調」に見える一方、個々の銘柄を見るとそうでもない、という歪みが生まれます。
「過去70年で1回しかない」異例の状況

S&P500を上回る銘柄が30%程度しかない、という状況自体が、実はかなり珍しいものです。
長期的に見ると、「おおむね半分の銘柄が指数に勝ち、半分が負ける」という状態が平均的です。
さらに注目すべきなのは、この30%前後という低い水準が、2年連続で続いているという点です。
過去70年を振り返ると、これが起きたのは1998年と1999年、ドットコムバブル崩壊の直前だけだと言われています。
つまり現在は、当時と同じように、少数の人気銘柄に資金が集中している状態だと考えられます。
今のスタンスは「ノリノリ、イケイケにならない」
こういう局面で、個人的に大切だと思っているスタンスがあります。
それは、**「ノリノリ、イケイケにならない」**ということです。
投資の世界には有名な言葉があります。
「他人が貪欲になっているときは恐れよ。
他人が恐れているときは貪欲になれ」
という言葉です。
将来の株価がどうなるかは、誰にも分かりません。
今が本当にバブルなのかどうかも、後にならないと分かりません。
ただし、「多くの人が強気になっている」という空気は、はっきりと感じ取れます。
夢は簡単に、悪夢に変わる
1年で株価が1.5倍、2倍、3倍になる銘柄を見ると、人はどうしても夢を見たくなります。
「インデックスなんて買わなくても、個別株で一気に増やせばいい」
「もっと早くお金持ちになれるはずだ」
そう考えるのも無理はありません。
夢を見ること自体は、自由です。
しかし投資の世界では、夢は夢のままで終わるケースの方が圧倒的に多いという現実も知っておく必要があります。
そして、夢は驚くほど簡単に悪夢へと変わります。
お金が増えた年こそ、確認したいこと
相場が好調で資産が増えたときこそ、次の点を冷静に確認したいところです。
- 定期積立だけで満足し、それ以上無理に資金を突っ込んでいないか
- 株価が30%、50%下落しても、精神的に耐えられるポジションになっているか
投資は一発勝負ではありません。
短距離走ではなく、登山のようなものです。
まとめ:淡々と、現実的に続けていく
S&P500は、長期投資の軸として今後も有力な指数であることに変わりはありません。
ただし、相場が好調なときほど、冷静さが試されます。
ノリで強気にならず、夢を見すぎず、
淡々と、現実的な計画を立てて続けていく。
それが、残酷な投資の世界を生き抜くための、いちばん確実な方法だと思います