ペット保険は本当に必要か?結論「ほぼすべての人に不要」と言える理由
「ペットが病気になったときのために、保険に入っておいたほうが安心ですよ」
ペットショップや動物病院で、こんなふうに勧められた経験がある人は多いと思います。
結論からはっきり言います。
ペット保険は、ほとんどの人にとって不要です。
こう言うと、「冷たい」「命を何だと思っているんだ」と反発されるかもしれません。しかし、これは感情論ではなく、数字と仕組みの話です。保険というものは、感情と切り離して考えないと、ほぼ確実に損をする仕組みになっています。
この記事では、
・そもそも保険とは何のためのものか
・ペット保険はその条件に当てはまるのか
・数字で見るとどれくらい不利なのか
この3点を軸に、順番に解説していきます。
そもそも「保険」とは何のために入るのか?
まず大前提として、保険とは「ほとんどの場合、損をする商品」です。
これは保険会社が慈善事業ではなく、営利企業である以上、当たり前の話です。
では、それでもなぜ人は保険に入るのか。
答えはシンプルです。
「万が一のことが起きたときに、人生や生活が破綻しないため」
これが保険の本質です。
たとえば、
・子どもがいる家庭の掛け捨て生命保険
・自動車保険の対人・対物賠償
・火災保険や地震保険
これらは、起きる確率は低いけれど、一度起きたら個人では払いきれないレベルの損失が発生します。だからこそ、ほとんどの人は「損だとわかっていても」保険に入るわけです。
逆に言えば、
起きても人生が詰まないレベルの出来事に保険をかけるのは、ただの割高なギャンブルです。
ペット保険は「人生が破綻するリスク」に備えるものか?

では、ここでペット保険を考えてみましょう。
ペットが病気になったとき、
その治療費が原因で「生活が破綻する」「人生が詰む」という状況は起こるでしょうか?
普通は起きません。
もし「数十万円の治療費が払えない」という家計状況であれば、
そもそもペットを飼うべきではないという話になります。
これは冷たい話ではなく、現実的な責任の問題です。ペットを飼う以上、ある程度の医療費がかかることは最初から織り込むべきコストだからです。
つまり、ペットの医療費は
「保険で備えるべき破滅リスク」ではなく、「貯金で備えるべき想定内の支出」
この位置づけになります。
数字で見る「ペット保険の不利さ」
では、実際に数字で見てみましょう。
例えば、比較的安い部類のペット保険(アクサダイレクトなど)に、犬が1歳から15歳まで加入した場合、
支払う保険料の総額は約72万5000円になります。
アニコムなどの大手では、さらに高額になるケースも多いです。
しかも、ペット保険は「7割補償」が一般的で、3割は自己負担です。
つまり、
72万円の保険料を払っても、医療費が72万円かかっただけでは元は取れません。
約105万円以上の医療費がかかって、ようやくトントンです。
では、犬の生涯医療費はいくらくらいかかるのか。
調査データでは、
・年間平均 約4.2万円~8.1万円
・間を取って約6.2万円と仮定
・平均寿命13年で、生涯約80万円前後
つまり、平均的なケースでは、最初から元が取らない設計になっているわけです。
ペット保険がさらに不利になる8つの理由
数字以外にも、ペット保険には致命的な欠点があります。
① そもそも適用外の病気が多すぎる
・フィラリア、ノミ・ダニなどの予防医療は対象外
・慢性疾患はほぼ対象外、もしくは継続拒否
・高額手術も適用外になるケースが多い
② どうせ全額は出ない
・基本は「7割補償、3割自己負担」
③ 毎月の掛け金が意外と高い
④ 手続きが面倒
・窓口精算できないことも多く、一度立て替えが必要
⑤ 1年更新という「継続の闇」
・終身ではなく、保険会社の判断で更新拒否されることがある
⑥ 年齢とともに保険料が上がり、老犬は加入不可
・一番お金がかかる時期に入れない、または高額になる
⑦ ペットショップのマージン構造
・販売側にキックバックがあるため、強く勧められる
⑧ 99.9%の人が損をする商品設計
・得するケースでも、人生が変わるほどの差は出ない
よくある質問への回答
Q:老犬になったらお金がかかるのでは?
→ その頃には更新拒否や適用外になるケースが非常に多いです。
Q:若いうちに大病したら?
→ 高額治療や慢性疾患は、最初から対象外か、途中で対象外になります。
Q:それでも少しは戻ってくるのでは?
→ その分、最初から貯金しておいた方が確実に残ります。
Q:ペットが人にケガをさせたら?
→ ペット保険ではなく、「個人賠償責任保険」に入ってください。火災保険や自動車保険に数百円で付けられます。
Q:お守り代わりに…
→ お守りは神社で買ってください。
まとめ:ペット保険に入るより、貯金をしよう

・保険は「人生が破綻するリスク」に備えるもの
・ペットの医療費はそのレベルのリスクではない
・数字的に見ても、ほぼ確実に損をする設計
・適用外、更新拒否、年齢制限などの罠が多すぎる
・ペット保険に払うお金を、そのまま貯金しておく方が合理的
ペットを大切に思う気持ちと、
お金の判断は、きちんと切り分けて考えましょう。
ペット保険は不要です。
それよりも「いざという時のための貯金」を用意しておく方が、よほどペットのためになります。