日経平均株価暴落に学ぶ、暴落時に落ち着いて確認すべきもうひとつのこと

不安な相場の中で、あなたを守ってくれる「企業業績」という考え方

不安な相場の中で、あなたを守ってくれる「企業業績」という考え方

株価が大きく下がった日。
新聞やニュースサイトには、強い言葉が並びます。

「歴史的暴落」
「過去最大の下落幅」
「投資家に衝撃」

こうした見出しを目にすると、胸が締めつけられるような気持ちになりますよね。
投資経験が浅ければなおさらです。
「このまま株を持ち続けていて大丈夫なのだろうか」
「今すぐ売らないと、もっと下がるのではないか」
そんな不安が頭をよぎるのは、ごく自然なことです。

実際、2024年8月5日の日経平均株価は、
1日でマイナス4,451円、下落率マイナス12.4%という、
歴史に残る大暴落となりました。
数字だけ見ても、その衝撃の大きさが伝わってきます。

しかし、こうした非常時だからこそ、
ぜひ思い出してほしいことがあります。
それは、「株価」と「企業の実力」は、必ずしも同じ動きをしない、ということです。

株価が荒れているときに、まず見るべきもの

相場が大きく動くと、人はどうしても株価だけを見てしまいます。
けれど、株式投資で本当に大切なのは、
その企業が、きちんと利益を出せているかどうかです。

つまり、「企業の業績」です。

暴落時に落ち着いて確認すべきポイントは、とてもシンプルです。

  • 今、その企業は利益を増やしているのか
  • どれくらいのペースで利益が伸びているのか

この2点を押さえるだけで、
相場の見え方は驚くほど変わってきます。

業績と株価の関係を、やさしく整理してみましょう

ここで、業績と株価の組み合わせを整理してみます。

  • 業績が上向きで、株価も上がっている
     → 多くの人が納得する自然な状態。無理に動く必要はありません。
  • 業績が悪いのに、株価だけが上がっている
     → 何か特別な理由があるかもしれませんが、割高に見える状態。初心者は慎重になったほうがよい場面です。
  • 業績が悪く、株価も下がっている
     → これもまた納得できる動き。慌てず様子を見る選択ができます。
  • 業績が良いのに、株価が下がっている
     → ここに、投資のチャンスが生まれます。

今回の日本株の暴落は、
まさにこの「4つ目」に近い状況だったのではないでしょうか。

日本企業の業績は、実際どうだったのでしょうか

では、実際のデータを見てみましょう。

2024年4月から6月期の日本の上場企業の決算は、
純利益が前年同期比で10%増でした。
しかも、これで3四半期連続の増益です。

東証プライム上場企業は、
2024年3月期まで3年連続で過去最高益を更新しています。
さらに、今年に入ってからも利益を伸ばし続けており、
予想ベースでは、年間で再び最高益を更新する見通しです。

これは決して当たり前のことではありません。
多くの企業が、コスト削減や事業改革、新しい技術への投資を重ね、
必死に努力してきた結果です。

円安とAIが、日本企業を支えてきた

円安とAIが、日本企業を支えてきた

業績好調の理由の一つが、為替です。
2024年4〜6月期の平均為替レートは、1ドル約156円。
前年と比べて、およそ20円も円安が進みました。

円安になると、海外で製品を売る企業は、
同じ売上でも円に換算したときの利益が増えます。
そのため、輸出企業を中心に大きな追い風となりました。

もちろん、将来円高が進めば、
利益が減る可能性もあります。
今年4年連続で最高益を更新できるかどうかは、
為替の動きに左右される部分もあるでしょう。

しかし、為替だけが理由ではありません。
生成AIをはじめとする新しい技術分野が、
日本企業の利益を押し上げています。
株式市場を引っ張る新しいテーマが存在することは、
長期的に見て、とても心強い材料です。

難しい言葉は、今は「知るだけ」で大丈夫です

投資の世界には、専門用語がたくさんあります。
最初は戸惑って当然です。

たとえば、TOPIX(東証株価指数)。
これは、日本の株式市場全体の動きを示す指標で、
多くの企業を幅広く含んでいます。
「日本企業全体の成績表」のようなものだと思ってください。

また、EPS(1株当たり利益)という言葉もあります。
これは、企業が1株あたりどれくらい利益を生み出しているかを示す数字です。

完璧に理解できなくても問題ありません。
「こういう指標があるんだな」と知り、
数字の推移を眺めるだけでも、立派な一歩です。

実際、日本企業のEPSは、
2014年には100円以下だったものが、
2024年には180円を超える水準まで伸びています。

これは、企業の稼ぐ力が約2倍になったことを意味します。
年収でたとえるなら、
500万円だった人が、1000万円稼げるようになったようなものです。
日本企業は、本当に健闘していると言えるでしょう。

暴落は「怖い出来事」だけではありません

暴落は「怖い出来事」だけではありません

私自身の考えですが、
暴落は、実は株を買いやすい時期でもあります。

業績がしっかりしている優良企業の株を、
市場の不安によって、割安に手に入れられるからです。
これは、株式投資において非常に貴重な機会です。

コロナ禍のように、
「企業の業績がどうなるか全く読めない」状況では、
株価が下がっても、買う判断はとても難しいものでした。

しかし、今回の暴落は、
大災害や金融ショック、戦争、パンデミックが原因ではありません。
日銀の利上げに伴う、投資家のポジション整理が主な背景です。

企業業績を知ることが、あなたの心を支えてくれます

暴落時に、自信を持って行動できるかどうかは、
企業の業績がどれくらい自分の中に落とし込めているかで決まります。

業績をある程度理解できるようになると、
インデックス投資家は相場に動じません。
高配当株などのアクティブ投資家は、
良い銘柄を、良いタイミングで選ぶことができます。

どの投資スタイルであっても共通しているのは、
長期的なリターンの源泉は、企業の利益であるという点です。

暴落のニュースに心が揺れたときは、
どうか一度、企業の業績に目を向けてみてください。
それは、不安を和らげ、
あなたが投資を続けていくための、大きな支えになるはずです。