自動車保険を安くする方法 その1

保険の見直し講座:自動車保険はどこまで必要?ムダを省いて賢く節約する考え方

保険の見直し講座:自動車保険はどこまで必要?ムダを省いて賢く節約する考え方

保険の見直しと聞くと、生命保険や医療保険を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は毎月じわじわと家計を圧迫しているのが「自動車保険」です。年間で見ると、決して無視できない金額を支払っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、損害保険の中でも特に支出の大きい「自動車保険」について、仕組みと考え方を整理しながら、本当に必要な保険、不要な保険について解説していきます。

自動車保険には2種類ある:「自賠責」と「任意保険」

まず、自動車保険には大きく分けて2種類あります。

ひとつは自賠責保険。これは強制保険で、車を所有する人は必ず加入しなければなりません。車検を通す際に必ず加入する仕組みになっているため、「自分は入った覚えがない」という人も、実際には必ず入っています。

補償内容は、
・死亡時:最大3,000万円
・傷害:最大120万円
など、あくまで「被害者救済の最低限」の補償に限られます。どこの保険会社で入っても内容は同じで、国が定めた制度です。

そしてもうひとつが、私たちが一般に「自動車保険」と呼んでいる任意保険です。今回のテーマは、こちらの任意保険の話になります。

任意保険の中身:対人・対物・車両保険

任意保険の補償内容は、大きく分けて以下の3つです。

・対人賠償保険:相手をケガさせたり、死亡させてしまった場合の補償
・対物賠償保険:相手の車や物を壊してしまった場合の補償
・車両保険:自分の車が壊れたときの修理費用の補償

自賠責保険だけでは、重大事故を起こしたときにまったく補償が足りません。死亡事故などでは、賠償額が1億円を超えるケースも珍しくありません。自賠責の3,000万円を超えた部分は、すべて自己負担になります。

これは普通の家庭では、まず支払えない金額です。したがって、対人・対物賠償は「無制限」で加入することが必須だと考えてください。

知っておきたい「等級」の仕組み

自動車保険には「等級制度」があります。初めて加入すると6等級からスタートし、無事故で1年経つごとに1等級ずつ上がっていきます。等級が上がるほど、保険料は安くなります。

逆に、事故を起こして保険を使うと、原則として3等級ダウンします。そして、元の等級に戻るまでには3年かかります。つまり、軽い事故で安易に保険を使うと、トータルでは損をするケースが非常に多いのです。

自動車保険を見直す3つのポイント

自動車保険を見直す3つのポイント

① 保険会社を見直す

まず最初にやるべきなのは、保険会社の見直しです。

代理店型や対面販売の保険は、人件費や店舗コストが必ず上乗せされています。その分、ダイレクト型(ネット保険)は安くなります。条件がほぼ同じでも、年間で2〜3万円以上変わることも珍しくありません。

何も考えずに更新を続けている人は、ここを変えるだけで大きく節約できる可能性があります。

② 契約条件を見直す

次に重要なのが、契約条件の見直しです。

・運転者限定(本人のみ、家族のみ など)
・年齢条件(26歳以上限定、30歳以上限定 など)

これらを実態に合った条件にするだけで、保険料はかなり変わります。たとえば「ほとんど自分しか運転しないのに、誰でも運転可」にしている人は、完全にムダな保険料を払っています。

③ 車両保険は不要

ここが一番意見が分かれるところですが、結論から言うと、車両保険は不要だと私は考えています。

実際、車両保険を付けるだけで、年間の保険料が3〜4万円変わることも普通にあります。
例:
・車両保険あり:95,000円/年
・車両保険なし:57,000円/年

この差は、年間約36,000円。月にすると3,000円です。

さらに、車両保険を使うと等級が下がり、その後3年間、保険料が上がり続けます。
たとえば、5〜10万円程度の軽い修理で保険を使うと、結果的に修理費以上の保険料増加を支払うことになるケースがほとんどです。

全損事故なら必要なのでは?

全損事故なら必要なのでは?

「じゃあ、全損事故や盗難の場合はどうするの?」と思うかもしれません。

確かに、車両保険に入っていれば保険金は出ます。しかし、出るのは新車価格ではなく、その時点での“時価”です。しかもこの時価は、いわゆる「レッドブック」という業者向けの安い査定基準が使われます。思っているより、かなり安く見積もられます。

つまり、保険金だけで同じ車に買い替えられることは、ほぼありません。

新価特約を付ければ満額に近い補償も可能ですが、その分、保険料はさらに高くなります。本末転倒です。

車両保険の本質:「修理代を払えない人のための保険」

結局、車両保険というのは、修理代を自分で払えない人のための保険です。

しかし、そもそも論として、
「修理代すら出せない状態で、高額な車をローンで買う」
この時点で、すでにお金の使い方として無理があります。

本来やるべきなのは、
車両保険に入ることではなく、最低限の修理費用を貯めておくことです。
これは医療保険と同じ考え方で、「小さな出費は貯金で対応、大きな破産リスクだけを保険でカバーする」のが正しい姿です。

保険の本来の役割とは?

保険とは、
「万が一のときに破産しないための仕組み」です。

・相手を死亡させてしまい、巨額の賠償金を背負う
・自分が死んで、家族の生活費がなくなる
・火事などで人生が詰んでしまう

こういった「人生が終わるレベルのリスク」を回避するためのものです。

車両保険は、そこまでのリスクではありません。単に「今の生活水準を維持したい」という浪費のカバーになってしまっているケースが非常に多いのです。

車は「移動手段」と割り切る

車は確かに生活に必要なものです。特に地方では必需品でしょう。ここまでは「消費」です。

しかし、
「移動手段以上の車」
これは明確に浪費です。

本当に移動手段として必要なら、数十万円の中古車で十分なはずです。現金で買える範囲の車に乗り、余計な保険もつけず、壊れたら修理か買い替えを検討する。この方が、トータルでは圧倒的にお金は残ります。

まとめ:残すべき保険、削るべき保険

結論です。

・対人・対物賠償:無制限で必須
・車両保険:不要
・浮いた保険料は、貯蓄に回す

これだけで、自動車保険は大幅にスリム化できます。