お金の講義
塩漬け株・不動産はどうすればいいのか?
ライブ配信や相談の場で、必ずと言っていいほど繰り返される質問があります。
それが「塩漬けにしている株や不動産は、どうすればいいのでしょうか?」というものです。
含み損を抱えた株式や、購入価格よりも大きく値下がりしてしまった不動産。
こうした資産を前にすると、多くの人が不安になり、「誰か正解を教えてほしい」と思ってしまいます。気持ちはとてもよくわかります。
ですが、この質問に対して、私はいつも同じ答えしか返せません。
結論:答えることはできません
「え?それって無責任じゃないの?」
そう感じた人ほど、ここからの話をよく聞いてください。
実はこの質問の本当の意味は、とてもシンプルです。
「この先、この株や不動産は値上がりしますか?それとも値下がりしますか?」
つまり、未来の相場を当ててほしい、というお願いなのです。
もし今、時価100万円の資産について「売ったほうがいい」と私が言ったとしましょう。
その後、価格が130万円まで上がったらどう思いますか?
「なぜあのとき売らせたんだ」と感じるはずです。
逆に「持ち続けたほうがいい」と言って、その後70万円まで下がったら?
今度は「もっと早く売るべきだった」と後悔するでしょう。
このように、結果がどう転ぶかによって評価が180度変わってしまう以上、他人が結論を出すこと自体が不誠実なのです。
相場の未来は誰にもわからない

投資の世界において、これだけは断言できます。
未来の相場を正確に言い当てられる人は、存在しません。
「私は相場が読めます」
「価格の動きはすべてわかっています」
もし、そんなことを言う人がいたら、疑ってください。
未来が見えるという前提で語る人の話についていくのは、とても危険です。
だからこそ、「塩漬け資産をどうすべきか?」という質問に、安易に答えることはできないのです。
それでも、考えるための道筋は示せる

とはいえ、「考え方も何もわからないまま放り出される」のはつらいですよね。
そこで、ここからは結論ではなく、判断材料を整理するための方法をお伝えします。
ステップ①
「売却すべき理由」を書き出す
まずは、今持っている資産を売るべき理由を3つ書き出してみましょう。
例としては、次のような内容です。
- 業績や収益が長期間にわたって悪化している
- 競争環境が変わり、優位性が失われている
- 経営や運営に対して信頼が持てない
感情ではなく、できるだけ事実ベースで整理することが大切です。
ステップ②
「持ち続ける理由」を書き出す
次に、真逆の立場に立ちます。
持ち続けるべき理由を3つ書き出してみてください。
- 価格が過度に下がり、割安な水準にある
- 将来的な回復要因が存在している
- 自分の資金状況的に、長期で待てる余裕がある
ここでも重要なのは、「なんとなく」ではなく、理由を言語化することです。
結論を求めるな、判断材料を集めよ

この2つのメモが揃ったとき、ようやくスタート地点に立てます。
投資において大切なのは、他人に結論を委ねることではありません。
判断材料を集め、精査し、最終的な決断を下す。
その責任を負うのは、常に自分自身です。
たとえ判断を誤ったとしても、そこから学び、次に活かせばいい。
失敗せずに投資を覚えた人はいません。
失敗しながら、前に進めばいい
転ばずに自転車に乗れるようになった人はいないように、
傷つかずに投資を理解できる人もいません。
致命的な失敗を避けつつ、経験を積んでいく。
それが資産形成における、現実的で健全な向き合い方です。
他人に未来を聞くのではなく、自分で考える力を育てる。
それこそが、塩漬け資産と向き合う本当の意味なのだと思います。