海外発の詐欺電話を止めるために
近年、海外を発信元とする詐欺電話が急激に増加しています。ある調査によれば、特殊詐欺に使われた電話番号のうち、実に七割以上が国際電話番号だったという報告もあります。国際電話を悪用した手口は年々巧妙化し、多くの人が被害を受けるリスクが高まっています。本記事では、主な手口と対策、そして被害を防ぐための心構えについて丁寧に解説します。
■ 急増する詐欺の手口

海外電話を利用した詐欺には、いくつか代表的な手法があります。
● 国際ワン切り詐欺
身に覚えのない海外番号から一度だけ着信があり、こちらが出る前に切れてしまう形式です。気になって折り返し電話をしてしまうと、高額な通話料が発生する仕組みになっています。「数秒だけ鳴って切れる」という特徴が多くの人に共通しています。
● 架空請求型の国際電話
「未払いのサービスがある」「契約停止の恐れがある」などと告げ、海外番号を使って不安を煽り、金銭を振り込ませようとするものです。中には、実在のサービス名に似せた名称を名乗るケースもあり、巧妙な誘導が行われます。
● 公的機関をかたる詐欺
警察や役所、通信事業者などを名乗り、個人情報や金銭を奪おうとする詐欺です。海外番号から「出頭してください」「令状が出ています」などと告げるケースもあります。本来、公的機関がこのような方法で突然連絡してくることはありません。
● サポート詐欺
ウイルス感染を装い、「至急サポートに電話してください」と海外番号へ誘導し、作業料名目で金銭を請求する手口です。ネット閲覧中に突然表示される警告画面から始まるケースが典型的です。
● 自動音声を使った詐欺
海外番号から自動音声がかかってきて「サービス停止」「支払い確認」などの案内を受け、指示された番号を押すよう誘導します。自然な日本語の音声が使われる場合もあり、不審に思いにくいことが特徴です。
■ 最も有効な対策:海外番号を“そもそも受け取らない”

これらの詐欺を確実に防ぐ最大のポイントは、海外からの電話自体を受信しないようにすることです。海外と頻繁にやりとりをする仕事でもない限り、一般の家庭に海外から直接電話がかかってくる必要はほとんどありません。友人や家族が海外にいる場合でも、現在は通話アプリで十分に連絡が取れます。
「詐欺かどうかを自分で判断する」のではなく、最初から目に入らないようにする——これが最も安全で確実な方法です。
■ スマートフォンの対策
スマートフォンの場合、迷惑電話対策アプリを利用することで、海外番号を自動的に警告したり、ブロックしたりできます。「迷惑」「詐欺の可能性あり」といった表示が出るアプリもあり、判断材料になります。
■ 固定電話の対策
固定電話は詐欺グループから狙われやすいと言われています。理由の一つは、固定電話を使い続けている家庭の多くに、高齢者やIT機器に詳しくない人が多く含まれているためです。詐欺集団にとって、いわゆる“狙いやすい相手”とみなされてしまうのです。
しかし家庭の事情から固定電話を解約できない人も少なくありません。そこで有効なのが、国際電話を受け付けない設定を申請する制度です。この手続きを行うと、海外発信の電話を自動で遮断できるため、詐欺電話の大半がそもそも届かなくなります。費用は不要で、申し込むだけで利用できます。
高齢の家族がいる家庭では特に、この設定を行うことで詐欺リスクを大幅に下げることができます。海外からの電話が必要となるケースはほとんどないため、家族の安全のためにも早めに申請しておくと安心です。
■ 判断力に頼らず「近づかせない」ことが大事

詐欺の手口は日々進化しており、常に新しい方法が生まれています。「自分は騙されない」と思っていても、体調が悪い時や疲れている時、急いでいる時には判断が鈍り、誰でも引っかかる可能性があります。
また、詐欺とまでは言えなくても、実態のない高額講座や再現性の低い投資サービスなど、お金をだまし取るような情報商材も多く出回っています。こうしたものから身を守るためにも、怪しい広告自体をブロックする設定やフィルターを活用し、近づいてこられない環境を作ることが重要です。
■ まとめ:守る力を常にアップデートする
海外発の詐欺電話は増加傾向にあり、誰にとっても身近なリスクとなっています。
しかし、電話ブロックやフィルターの設定など、対策を講じることで被害を大きく減らすことができます。
- 海外番号はそもそも受信しない
- 迷惑電話対策アプリを活用する
- 固定電話は国際電話の受信を停止する
- 怪しい広告やサイトに近づかない
- 「自分は大丈夫」と思わず、対策を更新し続ける
こうした小さな積み重ねが、詐欺被害を遠ざける大きな力になります。日常生活の安全を守るために、ぜひ今日から対策を始めてみてください。