【ビビる必要なし】強引な家賃引き上げトラブルの正しい対処方法を解説

家賃引き上げトラブルの増加と賃借人が知るべき要点

家賃引き上げトラブルの増加と賃借人が知るべき要点

近年、賃貸住宅における家賃引き上げをめぐるトラブルが増加しています。「納得はいかないが、通知が来たので仕方なく承諾した」「値上げが怖いから家を買うしかない」という声も聞かれ、消費者への注意喚起が求められる状況です。

■ トラブル増加の現状

東京消費生活総合センターの報告によると、家賃値上げに関する相談件数は次の通りです。

  • 2020年:326件
  • 2024年:662件(約2倍)
  • 2025年3月時点:193件

明らかに右肩上がりの傾向が見られ、今後さらに増加する可能性も指摘されています。

■ なぜトラブルが増えているのか

背景には、家賃相場そのものの上昇があります。

  • 地価の上昇に伴う固定資産税負担の増加
  • 建築費や人件費の高騰による新築物件価格の上昇
  • 都心部における若年層の流入による住宅需要の増大

これら複合要因が家賃高騰を引き起こし、値上げ通知とそれに伴うトラブル増加につながっていると考えられます。

■ 一方的な家賃値上げは「拒否できる」

■ 一方的な家賃値上げは「拒否できる」

しかし、賃借人が過度に恐れる必要はありません。多くの賃貸契約は普通借家契約であり、これは原則として双方の合意なく契約条件を変更できないと定めています。

つまり、

  • 家主が値上げを通知してきても、賃借人が「拒否します」と伝えれば成立しません。
  • 「来月から家賃が上がります」と強い口調で告げられたとしても、応じる義務はありません。

日経新聞でも弁護士が次のように述べています。

  1. 賃借人は生活基盤を守るため、家主の一方的な都合で不利益を被らないよう法的に保護されている。
  2. 値上げに納得できず拒んだとしても、従来どおりの家賃を支払っていれば退去を強制されることはない。

賃借人が法的に守られている点は、必ず理解しておくべき重要なポイントです。

■ 借地借家法という「賃借人保護の要」

日本には、賃貸住宅の基盤となる借地借家法があります。
賃借人にとっては強い味方である一方、家主にとっては慎重な対応を求められる法律でもあります。法改正がない限り、賃借人は今後も手厚く保護される立場にあります。

賃借人は「自分は法律により守られている」という認識を持つことが大切です。
一方、家主はこの法制度を踏まえ、適正な根拠をもった賃料設定や誠実な説明責任を果たすことが求められます。

■ 値上げ通知が来たときの考え方

値上げ通知を受けた際には、まず内容を冷静に確認し、根拠に合理性があるかを判断しましょう。

  • 妥当だと判断すれば、双方の合意によって値上げは成立します。
  • 妥当でないと思えば、遠慮なく拒否するべきです。強制的な値上げはできません。

「値上げを通知する家主=悪質」という短絡的な考えは誤解を生みます。相応の理由があって値上げを行うことも十分にあり得ます。

■ 家を買うべきか、賃貸を続けるべきか

■ 家を買うべきか、賃貸を続けるべきか

インフレが進む局面では、物件価格上昇やローンの価値低下を見込んで「家を買いたい」という考えが強まります。この判断は否定されるものではありませんが、以下を明確に意識することが重要です。

  • 資産形成につながる“投資的な物件”を買うのか
  • 生活を豊かにするための“消費としての物件”を買うのか

投資物件を購入する場合は、厳密な分析が不可欠です。
一方、生活の質を目的とする住宅購入では、ライフプランと予算に基づく慎重な判断が求められます。

私見ではありますが、生活スタイルを柔軟に変更しやすく、コストパフォーマンスの高い賃貸住宅に住みながら資産形成を進める選択は十分に合理的です。ただし、理不尽な家賃値上げには必ず対応し、納得できない場合は拒否をするべきです。

■ おわりに

住宅に関する意思決定には、多くの落とし穴があります。一度の判断ミスが将来の資産形成に大きな影響を与えることもあります。だからこそ、

  • 現状を正しく理解し
  • 法律上の立場を把握し
  • 感情ではなく情報と理性にもとづいて判断する

ことが肝要です。

賃貸でも購入でも、住まいは人生を支える最も大切な基盤です。知識を蓄え、慎重に、しかし前向きに検討を進めていきましょう。