会社にバレずに副業を始める方法

会社に知られずに副業を始めるための基礎知識

近年、副業を始める人が増えています。働き方が多様化し、「収入源を複数持ちたい」「自分の力で稼ぐ経験を積みたい」と考える人が増えているためです。しかし一方で、「会社に知られてしまうのではないか」という不安を抱く人も少なくありません。本記事では、副業がどのような場合に会社へ伝わる可能性があるのか、また、できるだけ知られずに副業を進めるためのポイントを丁寧に解説します。

■ なぜ「給与所得」の副業は会社に伝わりやすいのか

■ なぜ「給与所得」の副業は会社に伝わりやすいのか

まず理解しておきたいのは、給与という形で収入を得る副業は、比較的会社に知られやすいという点です。複数の企業から給与を受け取ると、それぞれの勤務先で源泉徴収が行われます。住民税は、給与の金額が大きい勤務先がまとめて徴収するという仕組みがあるため、本業の勤務先が想定以上の住民税額を把握し、そこで副業の存在に気づく可能性があります。

もっとも、経理担当者がその事実から副業に気づく可能性は高いとは言えません。しかし、構造として「気づかれる余地がある」ことは事実です。

一方、事業として収入を得るタイプの副業は、給与とは異なる税の扱いとなります。本業の給与は会社が源泉徴収し、副業による収入は自分で確定申告し税金を納めるため、両者が混ざることはありません。そのため、給与所得の副業よりも事業所得の副業のほうが会社に知られにくいと言えるでしょう。

■ 事業所得の副業を知られにくくするためのポイント

副業を事業として行う場合であっても、注意点は存在します。その一つが、確定申告時に選択する住民税の納付方法です。住民税の納付には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。

特別徴収とは、勤務先の給与から天引きして納める方法です。この方法を選ぶと、副業で得た収入に対する住民税が本業の給与から引かれるため、勤務先に副業の存在が伝わる可能性があります。

一方、普通徴収は自分自身で住民税を納める方法です。こちらを選べば本業の勤務先に副業収入が通知されません。確定申告書に記載されている欄で「自分で納付」を選択するだけで手続きは完了します。

■ 申告後は念のため自治体に確認を

■ 申告後は念のため自治体に確認を

本来であれば、申告書の選択通りに処理されるため特別な確認は不要です。しかし、事務処理が完全とは限りません。自治体側の手続きミスにより、普通徴収を希望したにもかかわらず特別徴収に分類されてしまう可能性がわずかに存在します。

そのため、不安がある場合は、申告後に自治体の担当部署へ連絡し、「給与以外の所得は普通徴収になっていますか」と確認することが安心につながります。「普通徴収になっている」と確認できれば問題はありません。反対に、誤って特別徴収に分類されている場合は、その場で訂正してもらうことが可能です。

■ 公務員の場合の注意点

一般の会社員とは異なり、公務員は法律により副業が禁止されています。禁止の理由は、公正性の確保や利害関係の排除といった職務上の性質によるものです。そのため、公務員が副業を行うことは、会社員の就業規則違反とは比較できないほど重い問題となる可能性があります。

もし家計を増やしたい、公務員としての収入以外にも収入基盤を持ちたいという場合は、自身が副業を行うのではなく、家族が事業を始め、それを無報酬で手伝う方法がもっとも安全です。無報酬での手伝いは副業には該当しません。また、家族が行った事業の利益から、贈与にならない範囲で生活費などの支援を受けることも可能です。

なお、公務員が副業として唯一認められているのが不動産収入です。不動産は転勤による住居の扱いや相続など実務上避けられない事情を含むため、副業禁止の対象とはされていません。

■ よくある質問への回答

■ よくある質問への回答

副業に関しては、さまざまな不安や疑問が寄せられています。よくある質問に、簡潔に回答をまとめます。

Q:給与を手渡しで受け取れば副業は知られない?
A:知られます。給与として支払う以上、勤務先は税務署や自治体へ報告する義務があります。手渡しであるか振込であるかは関係ありません。

Q:税務署から勤務先へ連絡が行くのでは?
A:行きません。また、勤務先が行政に問い合わせても、個人の所得情報は提供されません。

Q:開業届や個人番号から知られる?
A:その可能性はありません。開業届は公表されず、個人番号から副業を特定することもありません。

Q:申告しなければ知られない?
A:申告しないことは脱税に該当します。必ず申告しましょう。申告しても知られることはありません。

Q:どうしても副業が知られるのではと不安です
A:基本的に副業は法律上認められており、公務員を除けば禁止されていません。知られるケースの多くは、むしろ副業の収入が大きくなり、周囲の生活から自然と気づかれるといったケースです。

Q:公務員夫婦の場合は?
A:両親など第三者に事業を始めてもらい、それを無報酬で手伝う方法があります。

■ まとめ

副業を始めても会社へ知られる可能性は極めて低く、適切な手続きを踏めば安心して取り組むことができます。特に事業として行う副業であれば、住民税の納付方法を「普通徴収」にすることで、会社への通知を防ぐことが可能です。確定申告後の確認など、少しの工夫を行うことで、より安全に副業を行う環境を整えることができます。

副業の目的は、生活の安定や将来への備えを強化することにあります。正しい知識を持ち、無理のない範囲で取り組むことで、安心して収入源を広げていくことができるでしょう。