円高時、あなたの資産はどれくらい減るのか?

円高時、あなたの資産はどれくらい減るのか?

最近のお金のニュースの中で、投資をしている人なら見逃せない発言がありました。
週刊東洋経済に掲載された、伝説のファンドマネージャー・清原達郎さんのインタビューです。

清原さんは、個人資産800億円超とも言われ、かつて「長者番付1位」にもなった伝説的な投資家。
最近では『我が投資術、市場は誰に微笑むか』という書籍を出版し、投資家の間で大きな話題になっています。

そのインタビューの中で、私が特に気になったのが次の言葉でした。

「今は為替が円安に振れている。だから私はTOPIXを見ている。将来の円高リスクを取りたくない。円高のリスクは結構ある」

この一言は、今まさに米国株や全世界株式に投資している多くの個人投資家にとって、非常に重要な示唆を含んでいます。

円高の恐怖を、あなたは本当に理解していますか?

円高の恐怖を、あなたは本当に理解していますか?

現在、新NISAの買付金額ランキング上位には
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
といったファンドが並んでいます。

どちらも素晴らしい商品ですが、ひとつ大きな落とし穴があります。
それが 為替リスク です。

たとえば、こんなケースを考えてみてください。

  • 1ドル=150円のときに投資
  • その後、株価は変わらない
  • しかし為替が 1ドル=120円 に円高になった

この場合、円ベースの評価額は約20%減少します。
株価が横ばいでも、です。

「え、そんなに?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そもそも為替リスクとは何か?

円高時、あなたの資産はどれくらい減るのか?

ここで改めて、為替リスクについて整理しておきましょう。

為替リスクとは
為替相場の変動によって、外貨建て資産の円換算評価額が増減する可能性のことです。

日本株や日本国債のような円建て資産には、基本的に為替リスクはありません。
今日の100円は、明日も来年も100円です。

一方で、

  • 米国株
  • 米国債
  • 全世界株式ファンド

といった外貨建て資産には、必ず為替リスクが伴います。

同じ「1ドル」という資産でも、

  • 1年前は 1ドル=132円
  • 今は 1ドル=153円

と、円換算の価値は大きく変わっているのです。

外貨建て資産で覚えておくべき3つのポイント

外貨建て投資をする上で、最低限覚えておきたいことは次の3つです。

  1. 円安になると評価額は増える(うれしい)
  2. 円高になると評価額は減る(つらい)
  3. 為替の未来は誰にも読めない

この3つを理解していないと、相場が逆に動いたときに大きなストレスを感じることになります。

「オルカンは為替リスクがない」という誤解

ときどき、

「オルカンは円建てだから為替リスクがない」

と勘違いしている人を見かけます。

これは完全な誤解です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基準価額は確かに円で表示されています。
しかし、それは外貨建て資産を円に換算した後の数字にすぎません。

実際の投資先の大半は、米ドルやユーロなどの外貨建て資産です。
つまり、為替リスクはしっかり存在します。

また、「円貨決済だから円で運用されている」と思っている人も要注意です。
円貨決済とは、

円で支払って、内部で外貨に交換して投資している

というだけの話。
最終的には外貨で運用されている点は変わりません。

今は「株高 × 円安」のダブル天国状態

現在、多くの人が

「投資って簡単だな」
「オルカン最強」

と感じているのは、理由があります。

それは、

  • 株価が上がっている
  • 円安が進んでいる

この2つが同時に起きているからです。

例として、

  • 為替:1ドル=130円 → 150円(約15%プラス)
  • 株価:全世界株式が約19%上昇

この2つが重なれば、資産が大きく増えるのは当然です。
まさに「ダブルで美味しい状態」、天国のような相場です。

しかし、相場は必ず循環する

しかし、相場は必ず循環する

相場には、必ず波があります。

  • 上がり続けるものはない
  • 下がり続けるものもない

今が天国なら、いつか地獄を見る可能性もあります。
これは脅しではなく、相場の本質です。

だからこそ、今のうちにやっておいてほしいことがあります。

円高になったら、あなたの資産はいくら減るのか?

ぜひ一度、シミュレーションしてみてください。

  • 1ドル=150円 → 120円
     → 約20%減
  • 1ドル=150円 → 100円
     → 約30%減

仮にあなたの資産が1,000万円なら、

  • 800万円
  • 700万円

まで減る可能性があります。
しかも、これは株価が変わらない前提です。

もし円高と同時に株安が来たら、下落幅はさらに大きくなります。

それでも投資を続けられるか?

自分が持っているオルカンやS&P500の評価額に、
0.8を掛けてみてください。

その金額を見て、

  • それでも淡々と積み立てを続けられるか
  • 生活に支障はないか
  • 夜ぐっすり眠れるか

自問自答してみてください。

これは「円高になる」と予測しているわけではありません。
そうなった場合の心構えをしておこう、という話です。

メンタルを守ることが、長期投資の最大の武器

投資では、知識や手法以上にメンタルが重要です。

  • パニックにならない
  • 余計な売買をしない
  • いつも通りの生活を続ける

これができる人だけが、長期的に資産を増やしていけます。

今は、伝説の投資家ですら
「円高リスクは結構ある」と語る局面です。

だからこそ、今のうちに一度、
自分の資産が減ったときの姿を想像しておく。

それだけで、将来の行動は大きく変わります。