日本株の人気上昇。海外投資家大量買いのムーブに注目

海外投資家が「本気」で動く日本株市場

海外投資家が「本気」で動く日本株市場

2024年1月19日付の新聞に、静かだが重要な記事が掲載されました。
それは、海外投資家が日本株を大規模に買い越しているというニュースです。

1月第2週(9日〜12日)の海外投資家による日本株の買い越し額は、1兆4,439億円。これは2012年以降で6番目の規模であり、2013年のアベノミクス相場初期を思わせる水準です。この週、日経平均株価は2,199円も上昇しました。
相場を押し上げた主役は、明らかに海外マネーでした。

ここで、ぜひ落ち着いて確認しておきたいことがあります。

  • なぜ、海外投資家は日本株をこれほど真剣に買っているのか
  • 一方で、なぜ日本の個人投資家は日本株を売っているのか

この2点を丁寧にひもとくことで、私たちは市場の「温度」を感じ取ることができます。

海外投資家が日本株を買う理由① 円安という追い風

まず大きな理由として挙げられるのが円安です。
円建てで見れば、日経平均株価は好調に推移しています。しかし、ドル建てで見ると、日本株はなお割安に映っています。

海外投資家にとっては、
「企業価値は改善しているのに、通貨の影響で価格が抑えられている」
そのような魅力的な市場に見えているのです。

理由② 中国リスクからの資金退避先としての日本

次に注目されているのが、中国市場の不透明感です。
米中関係の緊張、不動産不況、そして国内景気への不安。過去5年間の中国株指数を見れば、長期的に下落基調にあることがわかります。

こうした状況のなか、中国人投資家を含むアジアの資金が、
比較的安定した日本市場へ向かっている可能性は十分に考えられます。

理由③ 日本企業の「地味だが確かな」体質改善

海外投資家が最も評価している点は、実はここかもしれません。
日本企業は2014年以降、少しずつ、しかし確実に変わってきました。

  • ROE(自己資本利益率)8%以上を目指す
  • PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業への改善要請
  • 独立社外取締役の増加
  • 機関投資家との対話の重視

PBRとは、株価が企業の解散価値の何倍かを示す指標です。
PBR1倍は「企業を解散した場合の価値と株価が同じ」という意味であり、それを下回る状態は、企業価値が十分に評価されていない可能性を示します。

日本企業はこの10年、まるで「米国企業のように、かっこよくなろう」と努力してきました。その成果が、いま少しずつ表面化しています。
ウォーレン・バフェット氏が日本の商社株を買ったことも、この流れの象徴と言えるでしょう。

理由④ デフレの国・日本に、インフレの兆し

もう一つ重要なのが、インフレ期待です。
長らくデフレに苦しんできた日本で、ようやく「適度なインフレ」が見え始めています。

インフレ=物価上昇は、裏を返せば経済が動き出す兆し
この変化を先読みし、日本株を組み入れようと考える投資家が増えています。

それでも、日本の個人投資家は売っている

それでも、日本の個人投資家は売っている

興味深いことに、同じ時期、日本の個人投資家は日本株を大きく売り越しています。
その額は1兆2,127億円。代わりに買われているのは、S&P500や全世界株式(オール・カントリー)といった海外株です。

「日本の相場は、なんとなく終わっている気がする」
「これから伸びるのは、やはり米国や世界では?」

そんな感覚が、数字となって表れているようにも見えます。

では、私たちはどうすればよいのか

この問いに対して、魔法のような正解はありません。
ただし、ひとつ大切なことがあります。

自分の投資スタイルを、簡単に手放さないこと。

自分の投資スタイルを、簡単に手放さないこと。

S&P500を中心に積み立てている方は、そのままで構いません。
全世界株を積み立てている方も同様です。すでに日本株は投資対象に含まれています。

相場のノイズに振り回されることは、長期リターンを下げる原因になります。
信念を持ち、淡々と続けること。それ自体が、立派な戦略です。

一方で、インデックス投資と高配当投資を組み合わせている方であれば、
日本株の波に乗り、インカム(配当)とキャピタル(値上がり益)の両方を狙うという選択も、十分に考えられるでしょう。

最後に――未来を想像する力を、あなたに

もし将来、日本株が大きく花開いたとき。
その果実を手にするのは、誰でしょうか。

答えは、誰にもわかりません。
だからこそ、今の状況を知り、自分なりに考え続けることが大切です。

投資は競争ではありません。
あなたのペースで、あなたの信念を大切にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

市場は、思っている以上に、あなたを置き去りにはしません。