高配当株ポートフォリオの育て方

高配当株ポートフォリオの育て方

高配当株ポートフォリオの育て方

――組んだ「その後」に迷わないための考え方――

高配当株投資に興味を持ち、実際にポートフォリオを組み始めたものの、「この後はどうすればいいのだろう」と手が止まってしまう人は少なくありません。特に、最初のポートフォリオを参考資料や解説をもとに作ったあと、次の一手が分からず戸惑ってしまうケースはよく見られます。

高配当株投資は、最初に銘柄を選んで終わりではありません。むしろ、本当のスタートはポートフォリオを組んだ“その後”にあります。時間をかけて少しずつ育て、安定した配当収入を目指していく長期的な取り組みだからこそ、継続的な判断の軸が重要になります。

ここでは、日本株を中心とした高配当株投資を始めたばかりの人に向けて、ポートフォリオ完成後の考え方や、買い増しの際に意識したい基本ルールについて整理していきます。

① 月に一度、投資候補を探す習慣を持つ

まず大切なのは、「定期的に銘柄を探す」という習慣です。頻度は月に一度程度で十分でしょう。投資雑誌や書籍、投資関連のウェブサイトやブログなど、情報源はさまざまです。重要なのは、常に新しい候補に目を向け続けることです。

良さそうな銘柄を見つけた場合は、すぐに買うのではなく、現在のポートフォリオ全体とのバランスを確認します。その銘柄を加えることで、特定の業種や性質に偏りすぎないかを検討することが欠かせません。

② 特定の業種に偏りすぎないようにする

② 特定の業種に偏りすぎないようにする

ポートフォリオの安定性を高めるうえで重要なのが、業種分散です。一つの業種が全体の大きな割合を占めてしまうと、その業界の景気に成績が大きく左右されてしまいます。

たとえば、ある業種が好調な時期には増配が期待できる一方、不調に陥れば一斉に減配されるリスクもあります。こうした事態を避けるため、特定の業種が全体の20%を超えないよう意識して買い増しを行うと、ポートフォリオの守備力が高まります。

すでに比率が高い業種については無理に増やさず、割合の低い業種や、これまで保有していなかったビジネスモデルの銘柄を検討することで、自然と分散が進みます。

③ 一つの銘柄に配当を依存しすぎない

業種だけでなく、銘柄単位での偏りにも注意が必要です。特定の銘柄からの配当金が、ポートフォリオ全体の配当収入の大部分を占めていると、その企業の業績悪化が直接ダメージになります。

仮に、全体の配当収入の大きな割合を一社が占めていた場合、その企業が減配を行えば、年間の配当金が一気に目減りしてしまいます。精神的なショックも大きく、投資を続ける意欲を失いかねません。

そのため、一つの銘柄が配当金全体の3%を超えないように調整していく考え方は、長期投資において非常に有効です。投資初期は難しい場合もありますが、銘柄数や投資額を増やしながら、徐々に偏りを減らしていくことを目標にするとよいでしょう。

④ 景気に左右されにくい銘柄を重視する

④ 景気に左右されにくい銘柄を重視する

高配当株ポートフォリオの安定性を支える柱となるのが、いわゆる「ディフェンシブ銘柄」です。これは、景気の良し悪しに関わらず、比較的安定した需要が見込める事業を行っている企業を指します。

生活に欠かせない商品やサービスを提供している企業は、不況時でも売上が大きく落ち込みにくい傾向があります。そのため、配当水準も比較的安定しやすいのが特徴です。

一方で、景気の影響を強く受ける企業は、好況時には大きな利益を上げる反面、不況になると業績が急激に悪化する可能性があります。配当を安定して受け取りたい場合は、ディフェンシブな銘柄をポートフォリオ全体の50%以上に保つことを意識すると、安心感が高まります。

⑤ 株価下落時の買い増しはルールを決めて行う

⑤ 株価下落時の買い増しはルールを決めて行う

すでに保有している銘柄について、株価が下落した際に買い増しをするかどうかも悩みどころです。配当利回りが上がると魅力的に見え、つい追加で購入したくなるものですが、無計画な買い増しは資金を大きく消耗させる原因になります。

そこで有効なのが、事前に明確なルールを決めておくことです。たとえば、当初の購入価格から一定割合下落した場合にのみ買い増しを行い、それ以上は控えるといった方法です。こうすることで、感情に流されず、冷静な判断がしやすくなります。

特に注意したいのは、細かく何度も買い増しをしないことです。下落局面での買い増しは慎重さが求められます。自分の資産状況や投資計画に合ったルールを作り、必ず守ることが大切です。

おわりに

高配当株ポートフォリオは、一度作って終わりではなく、時間をかけて育てていくものです。毎月完璧な判断をする必要はありません。大切なのは、自分なりのルールを持ち、それを守りながら少しずつ積み上げていく姿勢です。

投資の世界では、「チャンスを逃しても失敗ではない」という考え方があります。焦って無理に行動するよりも、納得できる銘柄が見つかった時にだけ判断すれば十分です。

時間を味方につけ、無理のないペースで続けていくこと。それこそが、高配当株投資で安定した成果を目指すための、最も確実な近道と言えるでしょう。