はじめて学ぶ投資商品
投資の世界には多くの商品の種類がありますが、初心者がまず理解しておきたいのは次の5つだけです。
株式/債券/不動産/コモディティ(商品)/預金。
それぞれの特徴を押さえることで、投資をより深く理解する第一歩となります。
大切なのは、「どの資産にもメリットとリスクがある」という点です。どれか一つが絶対に良い、ということはありません。
1.株式 — 企業の一部を所有するということ

株式とは、企業が資金を集めるために発行する証券で、保有者はその会社の“オーナーの一人”になります。株主は株価の上昇や配当金によって利益を得られる可能性がありますが、同時に値下がりや倒産といったリスクも抱えています。
株式は一般に ハイリスク・ハイリターン といわれます。短期間で価格が半分になることも、逆に大きく上昇することもあり得ます。歴史的な長期利回りはおおむね年4.8〜7.5%ほど。
地域によっても傾向が異なり、
- 先進国株式:比較的安定し低めの利回り
- 新興国株式:成長余地が大きい分、利回りもリスクも高め
とされます。
また株式は、物価が上がる局面(インフレ)に比較的強いといわれます。企業の利益が増えやすく、その結果株価が上昇しやすいためです。
株式における「一番偉い人」は誰か
株式会社では、もっとも強い権限を持つのは 株主 です。株主は会社の所有者であり、社長であっても株式を持たない場合は「雇われ社長」という立場に過ぎません。
中小企業では創業者が大株主であることが多く、オーナーと経営者が同一人物になるのが一般的です。
2.債券 — 国や企業への“貸付け”
債券とは、国や企業、自治体が資金を借りる際に発行する「借用書のようなもの」です。債券を買う投資家は、お金を貸す代わりに利息を受け取り、価格が変動すればその差益を得られる可能性もあります。
代表的な債券には次があります。
- 国債:国が発行
- 地方債:地方公共団体が発行
- 社債:企業が発行
債券は一般に ローリスク・ローリターン とされ、長期利回りは年1.4〜4.7%ほど。信用度が高い発行体ほど金利が低く、信用度が低いほど金利は高くなります。
例えば、国より倒産可能性の高い企業が発行する社債は、国債よりも高い利回りを提示する傾向があります。
ただし、債券にも値下がりや債務不履行(返済不能)、為替変動といったリスクが存在します。安全に見える商品ほど「リスクが全くない」わけではありません。
3.不動産 — 形のある資産

不動産投資には、大きく分けて4つの対象があります。
- 住居(アパート・マンションなど)
- 宿泊施設(民泊・ゲストハウスなど)
- テナント(倉庫・駐車場・商業ビルなど)
- 太陽光発電施設
不動産の特徴は ミドルリスク・ミドルリターン。長期利回りは年4.5〜8.3%程度とされますが、空室や災害、価格下落、売却困難といったリスクがあります。
不動産への投資には2つの方法があります。
- 現物不動産に投資する:まとまった資金が必要で、管理の手間もかかる
- 不動産ファンド(REITなど)に投資する:少額で複数物件に分散投資でき、管理の手間も不要
特にファンドは、初心者でも始めやすく、株式と同じように売買できる点が特徴です。
4.コモディティ(商品) — 世界で取引される資源
コモディティには原油、金、プラチナ、穀物などが含まれます。この中で初心者が検討しやすいのは 金 です。
金は「安全資産」と呼ばれますが、実際は価格の変動が大きく、決して安定一辺倒ではありません。長期利回りは年2.1%ほどで、値下がりや為替変動、保管に関するリスクも伴います。
ただし、世界的に価値が認められ、インフレ時や不況期に価格が上がりやすい特徴があります。「有事の金」といわれるのもそのためです。
5.預金 — 最も身近な投資

普通預金や定期預金も、利息がつくという点で投資商品の一つです。現在の日本では金利が低く、普通預金の金利は0.2%程度です。
たとえば 月1万円の利息を得るには約6000万円の預金が必要 となる計算で、預金だけで資産を大きく増やすことは難しい状況です。
外貨預金は金利が高い場合もありますが、為替変動による損失が大きなリスクとなります。
歴史の浅い商品には慎重に
仮想通貨やFXなどは派手に取り上げられることがありますが、価格変動が極めて大きく、初心者が安易に手を出すと投機的になりやすい面があります。資産形成の入口としては適していません。
まずは歴史の長い 株式・債券・不動産・預金 を中心に学ぶことが大切です。
まとめ
投資の学びは、「商品ごとの特徴とリスクを知る」ことから始まります。重要なのは、特定の商品を過度に期待したり、短期的な利益を狙ったりしないことです。
長い目で見て、自分の目的に合う資産を選ぶ。そのための基礎知識として、ここで紹介した5つの商品を理解しておくことが、安定した資産形成への第一歩になるでしょう。