「楽天証券の現状」と「証券会社の倒産時にお金を守る方法」について解説

「楽天証券の現状」と「証券会社の倒産時にお金を守る方法」について解説

【倒産はありえる?】楽天証券の現状と、証券会社が潰れてもお金を守れる仕組みを徹底解説

最近、X(旧Twitter)を中心にこんな声が目立つようになりました。

  • 「楽天グループ、経営がかなり厳しいらしい」
  • 「もし楽天が倒産したら、楽天証券も危ないんじゃない?」
  • 「楽天証券からの配当金、なんだか遅くない?」
  • 「念のため、他の証券会社に資産を移した方がいいのかな…」

こうした不安の背景には、楽天グループが発行した高金利の社債があります。
このニュースをきっかけに、「楽天=危ない」「楽天証券も連鎖的に危ないのでは?」という見方が一気に広がりました。

そこで今回は、次の3点について、数字と制度の両面から冷静に解説します。

  1. 楽天証券は本当に「ヤバい」のか
  2. もし証券会社が倒産したら、投資家の資産はどうなるのか
  3. お金を守るために知っておきたい最重要原則

結論から言えば、楽天証券に過度な心配をする必要はありません
そして仮に証券会社が破綻したとしても、投資家の資産は守られる仕組みが用意されています。

なぜ「楽天はヤバい」という話が広まったのか

なぜ「楽天はヤバい」という話が広まったのか

話題の発端は、楽天グループが発行した社債です。

  • 発行額:約5億ドル(約700億円)
  • 期間:2年
  • 金利:10.25%
  • 実質利回り:約12%

2019年に利回り約3%で社債を発行していたことを考えると、かなり高い水準であることは間違いありません。
この社債について、日経新聞も「楽天グループ、携帯事業継続へ覚悟の12%社債」と報じました。

「この金利じゃないとお金を借りられないって、相当まずいのでは?」
そんな不安が広がり、楽天証券にも疑念の目が向けられた、という流れです。

楽天グループの事業構造を数字で確認する

不安を感じたときこそ、雰囲気ではなく数字を見ることが大切です。
楽天グループの事業は、大きく次の3つに分かれています。

① インターネットサービス事業

(楽天市場などのEC)

  • 売上:約1兆円
  • 利益:約1,100億円
  • 利益率:約11%

売上・利益ともに非常に大きく、高収益な中核事業です。

② フィンテック事業

(楽天カード・楽天銀行・楽天証券など)

  • 売上:約6,200億円
  • 利益:約890億円
  • 利益率:約14%

こちらも高収益で、規模はメガバンクに迫るレベルです。

③ モバイル事業

(楽天モバイル)

  • 売上:約2,300億円
  • 利益:▲4,200億円

問題視されているのは、明らかにこのモバイル事業です。
基地局整備などの先行投資がかさみ、巨額の赤字が続いています。

今回の「利回り12%の社債」も、このモバイル事業の資金調達が目的です。

自己資本比率は本当に危険水準なのか

楽天グループ全体の自己資本比率を見ると、確かに5%前後と低く見えます。
ただし、金融事業を含む企業では、この水準は珍しくありません。

例えば、

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ:約4%
  • 三井住友フィナンシャル・グループ:約6%

いずれも国内トップクラスの金融機関です。
金融事業は法律や規制のもとで運営されるため、構造上、自己資本比率は低くなりがちです。

なお、金融事業を除いた楽天単体で見ると、自己資本比率は約30%。
倒産危機にある会社の水準ではありません。

楽天証券は「別次元」で安定している

では、今回もっとも不安視された楽天証券はどうでしょうか。

  • 売上:約900億円
  • 営業利益:約160億円
  • 営業利益率:約18%
  • 利益剰余金:1,000億円超
  • 口座数:836万口座(前年比+25%)

業績は極めて好調です。
しかも楽天証券は、楽天モバイルとは完全に別会社
最近ではみずほ証券も大株主として参画しており、楽天本社の一存でどうこうできる存在ではありません。

倒産どころか、上場準備を進めている段階です。

証券会社が倒産したら資産はどうなる?

結論から言うと、何も起きません
なぜなら、証券会社では「分別管理」が法律で義務付けられているからです。

分別管理とは?

  • 投資家のお金・有価証券
  • 証券会社自身の資産

これらを完全に分けて管理する仕組みです。

現金は信託銀行が管理し、
株式や投資信託は証券保管振替機構(いわゆる「ほふり」)が保管します。

そのため、証券会社が倒産しても、
お金も株も、全額投資家に返還される仕組みになっています。

投資信託の運用会社や信託銀行が潰れたら?

ここも心配いりません。

  • 運用会社は「運用指示」を出すだけ
  • 実際の資産管理は信託銀行が担当

仮に運用会社が破綻しても、別の運用会社に引き継がれるか、現金として返還されます。
信託銀行についても、同様に分別管理が義務付けられています。

つまり、どこか1社が破綻しても、投資家の資産が消える構造ではないのです。

お金を守る大原則はこれひとつ

最後に、お金を守るうえで最も重要な原則を紹介します。

「想定外だった!」を言い訳にしない

お金を失う人は、必ずどこかで
「まさか、そんなことになるとは思わなかった」
という油断をしています。

だからこそ大切なのが、分散です。

お金を守る大原則はこれひとつ
  • 証券口座を複数持つ
  • 銀行を1行に集中させない
  • 資産クラスを分ける

例えば、

  • NISAは楽天証券、それ以外はSBI証券
  • 夫婦で証券会社を分ける

これだけでも、十分なリスク分散になります。

まとめ

  • 楽天証券は業績・財務ともに健全
  • 証券会社が倒産しても、顧客資産は守られる
  • 大切なのは「想定外」を想定したうえでの冷静な判断

過度に不安になる必要はありません。
ですが、何も考えずに放置するのも違います。

「起きたら仕方ない」と思えるレベルまで考えたうえで、
自分なりのリスク管理をしていきましょう。