今後10年は株よりも「債券」に投資すべき?バンガードが警告する理由

【お金のニュース】バンガードが警告──「今後10年は株より債券が有利」その真意とは?

【お金のニュース】バンガードが警告──「今後10年は株より債券が有利」その真意とは?

米国株が史上最高値を更新し続ける中、世界最大級の資産運用会社バンガードが発表したレポートが投資家の間で大きな話題となっています。それは、

「今後10年間は、株式よりも債券の方が高いリターンを期待できる」

という、現在の株価高騰ムードとは逆行する内容です。

一見すると意外に思えるこの提言。しかし背景には、米国株市場の“割高感”がかつてない水準に達しているという事実があります。本記事では、バンガードのレポートが示す内容と、その真意、そして個人投資家が取るべき姿勢について丁寧に解説します。

■ 世界的運用会社バンガードとは

まず、今回の発言の重みを理解するために、バンガードという会社を簡単に押さえておきましょう。

  • アメリカに本社を置く世界トップクラスの資産運用会社
  • 創業者は「インデックスファンドの父」ジョン・ボーグル氏
  • 「ぼったくらない資産運用会社」の代表格
  • 有名ETF「VTI」「VT」などを運用

バンガードは投資家に過度な期待を抱かせず、堅実で長期的な視点を重視することで知られています。そのバンガードが、「株より債券」という異例の提言をするには、確かな理由があるのです。

■ バンガードが示したレポートの概要

レポートで示された主なポイントは以下のとおりです。

  • 今後10年間は、株式30%・債券70%の資産配分を推奨
  • 米国株は割高すぎる
  • 米国株の期待リターンは年率3.3〜5.3%
  • 債券の期待リターンは年率4〜5%

通常、長期的には株が債券より高いリターンを生みます。しかし、次の10年に限っては「例外的に債券の方が分が良い可能性が高い」と分析しているのです。

■ なぜバンガードは「株より債券」と言うのか?

理由は明確で、米国株の割高感が歴史的水準に達しているからです。

ここでは、割高を示す代表的な指標を紹介します。

● シラーPER

  • 長期的な株価水準を測る指標
  • 現在の水準は 1929年、2000年、2021年のピーク時と同等
  • いずれの年も翌年に大きな暴落を経験

● 株式リスクプレミアムの低下

  • 株が債券より「どれだけ魅力的か」を表す指標
  • 現在は過去最低レベル
  • 株を買う“うまみ”が乏しい状態

● バフェット指数

  • 「株式市場の総額 ÷ GDP」で算出
  • 適正値は100%前後
  • 現在は 200%付近の超割高圏

これら複数の指標が同じ方向を示している点は無視できません。

■ 期待利回りが低い理由

バンガードの想定では、
株価はこの先どこかで下落する可能性が高い
という前提で長期平均を計算しています。

今の株価は「未来の成長を先取りしている」状態で、PERも歴史的に見て高い水準です。つまり、今後の10年で調整(=下落)が入れば、長期平均リターンが押し下げられる可能性が高い、ということです。

未来は誰にも読めません。しかし、バンガードほどの運用会社が慎重になるほど、現在の割高感は強いと言えるでしょう。

■ では投資家はどうするべきか?

■ では投資家はどうするべきか?

ここで重要なのは、

「バンガードが債券を推しているから株を売れ!」
という短絡的な話ではない

ということです。

バンガード自身もレポートで次のように述べています。

  • あくまで「今後10年」の予測であり、30年の長期では株式が上回る
  • この配分は万人に当てはまるものではない
  • 市場予測はしばしば外れる

つまり、「割高な今こそ、リスクを取りすぎていないかを振り返りなさい」というメッセージなのです。

■ 未来予測の“正確性”について

■ 未来予測の“正確性”について

バンガードは堅実な会社ですが、それでも未来予測を毎回当てられるわけではありません。

  • 世界最大の運用会社
  • 日本の個人投資家
  • マッチョなライオン(?)

誰であっても、未来を完璧に予測することは不可能です。

だからこそ、私たち個人投資家が取るべき行動はシンプルです。

■ 今こそ大切なのは「適正なリスク」を守ること

結論はここに尽きます。

✓ 市場が絶好調の時ほど、リスクの取りすぎに注意すること
✓ 自分のリスク許容度を常に把握しておくこと

特に上昇相場では、

  • 「乗り遅れたら損!」
  • 「もっと投資しておけばよかった!」

という心理が働き、現金比率を極端に減らしてしまう人が多く見られます。ところが、暴落が来たときに必要なのは“現金”です。

実際、コロナショックの際にも、

  • 暴落時は絶好の買い場なのに
  • 「もう現金がありません…」と嘆く人が続出

という状況が起きました。

投資比率の見直しは、株価が暴落してからでは遅いのです。
見直しは、株価が最高値を更新して気分が良い「今」やるものなのです。

■ 個人投資家の強み

機関投資家は顧客の資金を運用しているため、現金で寝かせておくと批判されます。

しかし私たち個人投資家は違います。

  • 現金比率を増やす
  • 投資ペースを落とす
  • 暴落時に備える

こうした柔軟な行動が自由にできます。これは大きな強みです。

■ 最後に──今こそ、自分の投資を見直すタイミング

米国株は今、歴史的な割高水準にあります。
それでも長期投資において株式が強い資産であることは変わりません。

しかし、

  • 本当に今の投資額(リスク)で大丈夫か?
  • 株価が20%・30%下がっても耐えられるか?
  • 逆に、下がったときに“攻める現金”は残っているか?

これらを冷静に考えておくことが大切です。

「アクセル全開で突っ走る」のではなく、
「自分に合った速度で長く走る」ことこそ、
個人投資家が成功するための最良の戦略です。

市場が絶好調の今こそ、投資配分を見直し、余裕ある資産運用を心がけていきましょう。