【ふるさと納税は9月までが勝負】10月からポイント付与が禁止へ
――制度変更前に知っておきたい“お得度の行方”とは
■ 10月からふるさと納税のポイント付与が全面的に禁止に
ふるさと納税制度に大きな変更が加わります。これまで多くの寄付者にとって魅力のひとつとなっていた「寄付額に対するポイント付与」が、今年の10月以降は完全に禁止されることになりました。これを受け、制度をよく理解している人のあいだでは、9月末までに駆け込みで寄付を済ませようとする動きが広がっています。
一方で、この変更自体を認識していない人も少なくなく、周知が追いついていないという課題も浮かび上がっています。
■ なぜ“お得度”が下がるのか

10月以降も、ふるさと納税で寄付額の約3割に相当する返礼品が受け取れる点は従来と変わりません。しかし、寄付をする際に利用するポータルサイトから付与されるポイントがなくなることで、全体としての還元率が下がることになります。
現行制度では、
- 寄付者の実質負担は2,000円のみ
- 寄付額の約3割相当の返礼品
- さらにポータルサイト独自のポイント付与
という三段構えで大きなメリットがありました。中には年間で非常に高額の寄付を行い、返礼品とポイントの両方を最大限活用している人もいるほどです。しかし、このうちの「ポイント付与」が9月末をもって終了となるため、制度利用者にとってのメリットは確実に減少します。
■ そもそもふるさと納税はどのように成り立っているのか
ふるさと納税の仕組みを整理すると、次のような流れで運用されています。
- 自治体が寄付の受付をポータルサイトへ依頼する
- 寄付者はそのポータルサイトを通じて寄付を行う
- 寄付された資金はポータルサイトを経由して自治体に届く
- 自治体はポータルサイトへ手数料を支払う
- 自治体は寄付者に返礼品を送付する
このように、ポータルサイトは自治体と寄付者をつなぐ「仲介役」として機能しています。ポイント付与はこのポータルサイトが利用者を集めるための施策でした。しかし、その財源は自治体が支払っている手数料であり、結果として税金がポイントとして消えていく構造が問題視されていました。
■ ポイント禁止に至った背景
ふるさと納税制度は年々利用が広がり、寄付総額は非常に大きな規模となっています。その一方で、返礼品の調達費用やポータルサイトへの手数料が膨らみ、寄付額の約半分が事務コストとして失われているという指摘がありました。
本来、ふるさと納税は「自治体を応援する」という目的で設計された制度です。しかし、実際には「どのサイトを使えば一番ポイントがもらえるか」という競争が過熱し、本来の趣旨とずれが生じていました。こうした状況を踏まえ、政府はポイント付与の全面禁止に踏み切ったというわけです。
■ 9月末までに寄付を済ませたほうが良い理由

10月以降も返礼品は受け取れますが、ポイントがつかなくなることで実質的なリターンは大きく下がります。そのため、今年お得に寄付をしたいと考えている人は、ポイントが残っている9月末までに寄付を完了しておくことが賢明です。
既に制度を詳しく理解している人の多くはこれを把握しており、「駆け込み寄付」を予定している人が7割以上に上ると言われています。
■ ポイントに振り回されすぎない姿勢も大切

とはいえ、制度を利用するうえで気をつけたい点があります。それは「ポイントに夢中になりすぎない」ことです。今回のように過度にお得な仕組みはしばしば制度変更や改悪によって消えてしまいます。これはこれまでの様々なポイント制度でも繰り返されてきたことです。
また、ポイントの最適化には多くの時間と労力が必要です。しかし、その時間を使っても、必ずしも将来の収入や資産が大きく積み上がるわけではありません。制度が変わればノウハウも古くなるため、「100点満点の最適化」を目指すのは効率が悪いと言えます。
むしろ、
- 制度は“ほどほど”に活用し、
- お得度は80点くらい取れれば十分、
- 浮いた時間は本業や自己投資に回す
という姿勢の方が長期的には得をする可能性が高いでしょう。
■ まとめ
- 今年の10月から、ふるさと納税のポイント付与が全面的に禁止される
- 返礼品は従来どおりもらえるが、ポイントがなくなるため“総合的なお得度”は下がる
- 制度を理解している人の多くは9月末までに寄付を済ませる予定
- 過度にポイントに依存しすぎず、制度変更に左右されない行動が重要
ふるさと納税を賢く活用したい方は、今年の寄付について早めの行動を心がけつつ、制度に振り回されすぎないバランス感覚も大事にしていきましょう。限られた時間を有効に使い、無理のない範囲で制度を活用していくことが、長く安定した家計運営につながります。