「日本人の貯金額の平均はいくらくらいなのか?」
一度は気になったことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、2022年の日本国民のお金事情について、公的で信頼性の高いデータをもとに、できるだけ丁寧かつわかりやすく振り返っていきます。数字を知ることは、将来のお金の不安を減らし、自分自身の家計や資産形成を見直す大きなヒントになります。
信頼できる調査データから見る日本の家計

2022年12月21日、「家計の金融行動に関する世論調査2022年」が公表されました。
この調査は、日本銀行内に事務局を持つ金融広報中央委員会が実施しており、長年続く歴史ある統計として、多くの金融・マネー系メディアでも引用されています。
調査対象は以下の通りです。
- 単身世帯:全国2,500世帯
- 2人以上世帯:全国5,000世帯
貯金額、借金の有無、収入や資産の増減、家計の実感など、日本の家計の実態を幅広く捉えた内容になっています。年に一度、このデータを確認することで、日本全体の家計トレンドを俯瞰することができます。
日本人の金融資産はいくらあるのか?
平均値と中央値の違いに注意
まずは、保有している金融資産額を見てみましょう。
- 単身世帯の平均:871万円(前年:1,062万円)
- 2人以上世帯の平均:1,291万円(前年:1,563万円)
どちらも前年より大きく減少しています。2022年は、家計にとって厳しい一年だったことがうかがえます。
ただし、ここで注意したいのが「平均値」です。
多額の資産を持つ一部の人がいると、平均値は大きく引き上げられてしまいます。そこで、より実態に近いとされる中央値を見ると、印象は大きく変わります。
- 単身世帯の中央値:100万円
- 2人以上世帯の中央値:400万円
「思っていたより少ない」と感じる方も多いかもしれません。多くの家庭にとっては、こちらの数字のほうが現実に近いと言えるでしょう。
「金融資産」に含まれるもの・含まれないもの
この調査でいう金融資産には、以下が含まれます。
- 預貯金
- 積立型保険、個人年金保険
- 株式、債券、投資信託
- 財形貯蓄
一方で、土地や住宅などの不動産、貴金属、事業用資産は含まれません。また、日常的な支払いに使う現金・預金も金融資産から除外されています。
実は、単身世帯で平均約267万円、2人以上世帯で約406万円は「生活用のお金」としてカウントされていない点も、数字を読むうえで重要なポイントです。
日本人はどれくらい貯蓄しているのか?
平均貯蓄率は意外と低い
貯蓄率とは、手取り収入のうち何%を金融資産として残したかを示す指標です。
- 単身世帯:13%(前年比▲1%)
- 2人以上世帯:11%(前年と同水準)
これは金融資産を保有している人の平均値であり、全体の中央値はさらに低い可能性があります。よく言われる「収入の10%を貯蓄する」という目標も、実際には簡単ではないことが分かります。
金融資産が増えた人・減った人
2022年は、資産を減らした人の割合が増加しました。
主な理由は以下の2つです。
- 収入減少による資産の取り崩し
- 株式・債券価格の下落による評価額の減少
特に2022年は、世界的な株安の影響を受け、資産運用で苦戦した人も少なくありませんでした。投資は長期的に有効ですが、「毎年必ず増えるものではない」という基本を再認識する一年だったと言えるでしょう。
借金のある世帯はどれくらい?
- 単身世帯:15.3%
- 2人以上世帯:20.4%
およそ5世帯に1世帯は借入があります。
単身世帯では生活費目的の借金が多く、2人以上世帯では住宅ローンが中心です。
借金はすべて悪いわけではありませんが、「将来価値を生まない借金」は家計を圧迫しやすい点に注意が必要です。
老後への不安はどれくらいあるのか?
「老後が非常に心配」と答えた人の割合は、
- 単身世帯:45.7%
- 2人以上世帯:39.5%
依然として多くの人が老後に不安を感じています。
老後に必要と考えられている金額は、毎月約30万円、資産は2,000万円前後という回答が中心でした。
公的年金だけで足りるのか?
「年金だけでは生活費も厳しい」と感じている人は半数近くにのぼります。
一方で、公的年金は老後の重要な土台でもあります。
年金を増やす方法として、
- 年収を上げる
- 働く期間を延ばす
- 受給開始を繰り下げる
といった選択肢があることを知っておくだけでも、将来設計は大きく変わります。
まとめ:数字を知ることが第一歩

2022年のデータから見えるのは、「日本人の家計は決して余裕があるとは言えない」という現実です。
しかし同時に、現状を正しく知ることで、改善の余地が見えてくるのも事実です。
平均値に惑わされず、自分の立ち位置を冷静に把握し、
収入・支出・貯蓄・投資をバランスよく整えていくことが、将来の安心につながります。