お金を稼げる仕事と、やりたい仕事――目的から考える人生と仕事の選択

本当はやりたいことがあるのに、行動する前から諦めてしまう
このような気持ちを抱いたことがある人は、決して少なくありません。人生は一度きりだと頭では理解していても、現実には生活の不安や将来への迷いが先に立ち、なかなか一歩を踏み出せないものです。特に仕事の選択は、収入や生活の安定、家族や社会的立場にも影響を与えるため、簡単に答えを出せる問題ではありません。

お金を稼げる仕事」と「やりたい仕事」。
この二つのどちらを優先するべきかという問いには、明確な正解は存在しません。しかし、自分なりの判断基準を持たないまま流されるように選択を重ねてしまうと、後になって大きな後悔を抱える可能性もあります。だからこそ、このテーマについて一度立ち止まり、じっくり考えてみることには大きな意味があります。

安定しているはずなのに満たされない不安

安定しているはずなのに満たされない不安

まず、若い社会人のケースを考えてみましょう。
学生時代から目標としていた安定した職業に就き、周囲から見れば順調な人生を歩んでいるように見えます。収入も一定水準に達し、社会的にも評価されている立場です。しかし、働き始めて数年が経過するにつれて、次第に仕事への情熱ややりがいを感じられなくなっていきます。

とはいえ、他に明確な夢や目標があるわけではありません。「何がしたいのかわからない」「今さら方向転換するのは怖い」と感じ、現状に不満を抱えながらも行動できずに時間だけが過ぎていきます。将来この選択を後悔するのではないかという不安はあるものの、具体的な一歩を踏み出す勇気が持てず、立ち止まってしまうのです。

収入と健康の板挟みになる現実

次に、別の状況を見てみましょう。
ある程度の年齢になり、収入も安定している会社員がいます。しかし、職場の環境や人間関係が合わず、心身の不調を感じながら働き続けています。仕事を辞めれば気持ちは楽になるかもしれませんが、収入が減ることや将来への不安が頭をよぎり、なかなか決断できません。

このような状況では、「今の仕事を続けるべきか」「環境を変えるべきか」と悩むのはごく自然なことです。ただし、仕事にまったく意味や面白さを見いだせず、心や体に不調をきたしている場合まで無理をして続ける必要があるかどうかは、慎重に考える必要があります。生活のためだけに耐え続ける働き方は、長い人生の中で大きな代償を払うことになりかねません。

年齢に関係なく考える価値がある選択

若い世代であれば、たとえ一度失敗したとしても、やり直す時間があります。一方で、年齢を重ねてからであっても、健康を犠牲にしてまで続ける仕事が本当に必要なのか、一度立ち止まって考える価値は十分にあります。人生の残り時間をどう使うかという視点は、何歳であっても重要です。

ここで大切になるのが、「自分は何を目的に働いているのか」という問いです。
お金のためなのか、やりがいのためなのか、それとも別の価値を求めているのか。この答えは人それぞれ異なります。

お金とやりがい、どちらも無視できない

お金とやりがい、どちらも無視できない

収入を軽視して生活が成り立たなくなってしまっては、現実的とは言えません。一方で、やりがいを完全に無視してお金だけを追い求めると、心が満たされず、虚しさを感じる人生になる可能性もあります。どちらか一方だけを極端に重視することには、必ず歪みが生じます。

理想を言えば、やりがいと収入の両方を兼ね備えた仕事が最善でしょう。しかし、そのような仕事に最初から出会える人は多くありません。そのため、人生のある時期には、どちらかを優先する選択が必要になることもあります。重要なのは、「今の自分は何を最も大切にしたいのか」を意識したうえで選ぶことです。

夢を後回しにすることのリスク

多くの人は、まず収入が安定する道を選び、その後で自分の理想や夢を追いかけようとします。この選択は安心感があり、社会的にも理解されやすいものです。しかし、夢を後回しにすることで、挑戦するエネルギーやタイミングを失ってしまうこともあります。

一方で、早い段階から自分のやりたいことに取り組んだ人は、長い時間をかけて経験を積み、結果として大きな成果を得ているケースもあります。もちろん、すべてがうまくいくわけではありませんが、挑戦しなかった後悔よりも、挑戦した経験が人生を豊かにすることは少なくありません。

苦労の質を見極める

ただし、「やりたいことだけをしていれば楽に生きられる」というわけではありません。どんな道を選んだとしても、努力や我慢が必要な場面は必ず訪れます。重要なのは、それが成長のための一時的な負荷なのか、それとも自分を壊してしまうほどの苦痛なのかを見極めることです。

多くの成功者も、決して迷いや不安がなかったわけではありません。それでも前に進めたのは、「こう生きたい」「これだけは譲れない」という強い思いがあったからです。その熱量は、仕事の内容そのものだけでなく、生き方そのものに表れます。

人生を動かす「圧倒的な熱量」

人生を動かす「圧倒的な熱量」

結局のところ、仕事選びの鍵となるのは「圧倒的な熱量」があるかどうかです。大きな成功を目指さなくても、自分が納得できる生活を築くことは可能です。その原動力となるのが、自分の内側から湧き上がる本気の思いです。

もし今、その熱量が見つからないのであれば、無理に大きな決断をする必要はありません。現状を維持しながら、自分が本当に大切にしたいものを探し続ける時間も、決して無駄ではありません。

お金、やりがい、そして熱量
この三つのバランスを意識しながら、自分なりの答えを見つけていくことが、後悔の少ない人生につながるのではないでしょうか。