バブル期以来の税収で国と企業は儲かりすぎ?個人は結局どうしたらいいのか解説

税収は過去最高水準なのに、なぜ生活は楽にならないのか

――国と企業が潤う時代に、個人が取るべき現実的な選択――

近年、「国の税収が過去最高水準に達した」「企業の業績が好調だ」といったニュースを目にする機会が増えています。一方で、私たちの生活を振り返ってみると、「収入が増えた実感がない」「むしろ生活は苦しくなっている」と感じる人も多いのではないでしょうか。

国や企業が潤っているように見えるのに、なぜ個人の暮らしは豊かにならないのか。そして、そのような状況の中で、私たちはどのように行動すればよいのか。本記事では、最新の税収動向を手がかりに、個人が取るべき現実的な選択について考えていきます。

国の税収は大きく伸びている

直近の決算によると、国の税収は想定を大きく上回る結果となりました。特に目立つのが、企業活動に関連する税収と、消費に伴って徴収される税収です。

企業の利益が増えたことで、法人にかかる税金は長年見られなかった高い水準に達しました。また、物価の上昇や消費額の増加により、消費に関連する税収も前年度から大きく伸びています。

一方で、個人の所得に直接関係する税収は減少しましたが、全体として見ると、国の税収は大きく上振れしました。その結果、国は新たな借金を予定よりも少なく抑えることができたとされています。

数字だけを見ると、「国の財政は好調」「景気は回復している」と判断したくなる内容です。

企業は確かに儲かっている

企業は確かに儲かっている

税収の内訳からも分かるように、企業の業績は全体として好調です。特に大企業を中心に、売上や利益を伸ばしているケースが目立ちます。

円安の影響や海外需要の回復、価格転嫁の進展などが重なり、企業は利益を確保しやすい環境にあります。その結果として、法人関連の税収が増加しました。

つまり、「企業が儲かっている」という点については、数字上も事実だと言えるでしょう。

それでも個人の実質賃金は下がっている

それでも個人の実質賃金は下がっている

問題はここからです。国の税収が増え、企業が利益を上げているにもかかわらず、個人の生活は楽になっていません。その大きな理由が、「実質賃金の低下」です。

名目上の給料が多少上がっていたとしても、物価の上昇や税金・社会保険料の負担増を考慮すると、実際に使えるお金は減っている人が少なくありません。これが、実質賃金が下がっていると感じられる原因です。

日々の食料品や光熱費、住居費など、生活に欠かせない支出が増えている中で、収入の伸びがそれに追いついていない。この状況では、「景気が良い」と言われても実感が湧かないのは無理もありません。

なぜこのようなギャップが生まれるのか

国や企業と、個人との間にこれほど大きなギャップが生まれる背景には、構造的な問題があります。

企業は価格を調整したり、事業の方向性を変えたりすることで、環境の変化に比較的柔軟に対応できます。一方、個人の収入は、勤務先や立場によって大きく制限されがちです。簡単に給料を上げることはできず、税金や社会保険料の負担は確実に差し引かれます。

つまり、「何もしなければ、実質的に貧しくなっていく構造」が出来上がっているとも言えるのです。

個人は結局どうすればよいのか

個人は結局どうすればよいのか

このような状況を嘆くだけでは、生活は変わりません。重要なのは、「現実を理解した上で、取れる対策を一つずつ実行すること」です。ここでは、実質賃金が伸びにくい時代において、個人が考えるべき三つの方向性を紹介します。

① 資産を成長させる仕組みを持つ

労働収入だけに頼っていると、物価上昇や税負担増の影響をそのまま受けてしまいます。そこで重要になるのが、資産が増える仕組みを持つことです。

株式などの金融資産は、経済成長や企業利益の拡大とともに価値が高まる可能性があります。企業が儲かっているのであれば、その恩恵を間接的にでも受け取れる立場になることが、長期的には有効な選択肢となります。

もちろん、リスクを理解した上で、無理のない範囲で取り組むことが前提です。

② 税金や社会保険料を「合法的に」最適化する

税金や社会保険料は、支払うこと自体が悪いものではありません。しかし、仕組みを知らないまま余計に負担しているケースも少なくありません。

各種控除や制度を正しく理解し、合法的な範囲で負担を抑えることは、実質的な手取りを増やすことにつながります。「知らなかった」という理由だけで損をしないためにも、最低限の知識を身につけておくことが大切です。

③ 収入源を増やす選択肢を持つ

実質賃金が伸びにくい時代において、収入源が一つしかない状態はリスクが高いと言えます。副業として小さなビジネスを始めたり、より条件の良い職場へ移る努力をしたり、社内で評価を高めて昇進を目指したりすることも、有効な対策です。

すぐに大きな成果が出なくても、「収入を増やす選択肢を持っている」というだけで、将来の安心感は大きく変わります。

まとめ:環境は選べないが、行動は選べる

国の税収が増え、企業が利益を上げている一方で、個人の実質的な豊かさが置き去りにされている現実があります。この構造は、短期間で大きく変わるものではありません。

だからこそ、私たち一人ひとりが、「どうすればこの環境の中で自分の生活を守り、育てていくか」を考える必要があります。資産を育てる、支出を最適化する、収入源を増やす。どれも地味ですが、積み重ねれば確実に差が生まれます。

国や企業の動きを冷静に理解した上で、個人としてできることに集中する。それこそが、この時代を生き抜くための現実的な答えと言えるでしょう。