複利の力を知ろう

投資を始める前の準備

複利の力を知ろう

――実践すると、長期投資の素晴らしさが見えてくる

投資の世界では、つい「何を買えばいいのか」「今は買い時なのか」といった話題に目が向きがちです。
しかし、実は長期の積立投資は「準備段階」でほとんど結果が決まると言っても過言ではありません。

ここをすっ飛ばして、「めんどくさいから結局どれがいいの?」と商品選びだけを先にしてしまう。
このパターンで投資を始めると、失敗する確率は一気に高まります。

歴史の浅い正体不明の投資商品ではなく、
株式・債券・不動産といった基本的な資産クラスに、長期で投資する。
この王道を理解して実践できれば、資産形成は驚くほどシンプルになります。

「長期投資って退屈じゃない?」という疑問

「長期投資って退屈じゃない?」という疑問

よくこんな声を聞きます。

「長期投資かぁ……デイトレードとか短期売買はダメなの?」

結論から言うと、短期間で売買を繰り返す投資は、ほとんどの人が負けます。
才能・時間・情報・精神力、そのすべてを要求される世界で、一般の個人投資家が勝ち続けるのは極めて困難です。

一方、長期投資は違います。
日々の値動きに一喜一憂するのではなく、長い時間を味方につける投資です。

今回は、その長期投資の「究極の魅力」を、2つのポイントに絞って解説します。

長期投資の究極の魅力

① 収益が安定する

② 複利の力が最大限に活きる

この2つを理解できれば、なぜ多くの成功者が長期投資を選ぶのかが腑に落ちるはずです。

① 収益が安定する

まず、投資期間によるリターンの違いを見てみましょう。

投資期間が1年の場合、リターンは
−37%〜+52%
と、非常に大きな振れ幅があります。
大きく儲かる人もいれば、大きく損をする人もいる世界です。

一方、投資期間を20年まで伸ばすとどうなるか。

リターンは
+6%〜+18%程度
に収束していきます。

投資期間が長くなるほど、リターンのブレは小さくなり、安定していく。
そして驚くべきことに、ここまで投資期間を長く取ると、損をしている人がほぼいなくなるのです。

これはアメリカだけの話ではありません。
日本の市場データを使った研究でも、

まともな投資商品に投資していれば、
投資期間を長く取るほど、損をする確率は限りなくゼロに近づく

という結果が示されています。

だからこそおすすめしているのが、
最低でも15年以上、できれば20年という投資期間です。

「長期投資って1〜2年のことじゃないの?」
そう思っている方も多いのですが、それは長期ではありません。

投資=短期売買という誤解

日本では、投資に対してどうしても怖いイメージがつきまといます。
バブル崩壊の記憶、テレビで取り上げられる短期トレード、
「天才トレーダーが1日で何千万稼ぐ」といった派手な話。

画面を何枚も並べ、株価チャートを見つめながら
「次はアメリカ市場が開くから…」
そんなイメージを持っている人も多いでしょう。

でも、あれはデイトレードやスイングトレードという、超短期売買の世界です。
長期投資とは、まったく別の世界の話です。

実際、長期投資を実践している人ほど、
証券口座をほとんど見ません。

いくらになっているかも、正確には覚えていない。
それくらいでちょうどいいのです。

② 複利の力が活きる

長期投資のもう一つの核心が、複利の力です。

複利とは、
「元本+これまでに得た利益」に対して、さらに利息がつく仕組みのこと。

ただの計算方法だと思って侮ってはいけません。
複利は、かつて偉大な科学者が
「人類最大の発明」
と評したほど、強烈なパワーを持っています。

単利と複利の決定的な違い

単利と複利の決定的な違い

たとえば、100万円を年利5%で運用した場合。

単利の場合

毎年、利息は5万円。
10年経っても、利息はずっと同じです。

複利の場合

1年目の利息:5万円
2年目:105万円に対して5% → 5.25万円
3年目:110.25万円に対して → 約5.51万円

年数が経つごとに、利息そのものが増えていきます。

30年目には、
その年だけで約20万円以上の利息
が生まれる計算になります。

これが複利の恐ろしさ、そして素晴らしさです。

年利はどれくらいで考えればいい?

年利はどれくらいで考えればいい?

優良なインデックスファンドに、世界分散で投資する前提なら、
年利5%で見積もっても十分に堅実です。

一般的に、世界中の株式に分散投資した場合、
年利6〜7%程度が期待値と言われています。

これは言い換えれば、
人類全体の経済成長スピード
そのものです。

無理な数字を想定しなくても、
時間を味方につければ、資産は着実に増えていきます。

長期投資という選択

短期的な損益に振り回されず、
数年、数十年先を見据えてコツコツ積み立てる。

派手さはありませんが、
再現性が高く、誰にでも実践できる投資方法です。

まともなインデックス投資を行えば、
NISAの非課税枠は総額1800万円。
税金を考慮しなければ、10年で資産が2倍程度になるイメージを持っても、大きく外れることはありません。

まとめ

投資で失敗する多くの人は、
「準備」を軽視したまま、いきなり戦場に出てしまいます。

  • 投資期間は十分に長く取れているか
  • 短期売買の幻想に惑わされていないか
  • 複利の力を理解しているか

この準備段階をしっかり整えるだけで、
投資は驚くほど穏やかで、合理的なものになります。

焦らず、欲張らず、時間を味方につける。
それが長期投資の本質です。