育児休業中に働くのはアリ?知らないと損をする就労ルールをやさしく解説
育児と仕事を両立する選択肢として、育児休業を取得する人が年々増えています。最近では、男性の育児休業取得も広がり、育休は特別なものではなく、誰にとっても身近な制度になってきました。
一方で、育児休業中の悩みとして多く聞かれるのが「収入」の問題です。育休中は給与が支払われず、代わりに一定の条件を満たすことで給付金を受け取る仕組みがありますが、その金額は休業前の収入のすべてを補えるわけではありません。そのため、「育児が少し落ち着いたら、無理のない範囲で働きたい」「育休中に仕事をすると、給付金はどうなるの?」といった疑問を抱く人も少なくありません。
そこで今回は、育児休業中の就労ルールについて、知らないと損をしてしまうポイントを丁寧に整理していきます。
育児休業中の大原則は「育児に専念すること」

まず押さえておきたい前提があります。それは、育児休業とは「育児に専念するために、仕事をしなくてもよい期間」であるという点です。制度の趣旨としては、一定期間、働く義務そのものを免除し、安心して子どもの世話に集中できるようにすることが目的とされています。
通常であれば、働かなければ契約上の責任を問われてしまいます。しかし、育児休業中は法律に基づき、その義務が一時的に消滅します。つまり、「働かなくても立場が守られる」ことが最大の特徴なのです。
そのため、育児休業中に通常どおり働いてしまうと、制度の前提と矛盾してしまいます。これが、「育休中の就労は原則として認められていない」とされる理由です。
例外として認められる「必要最低限の就労」

とはいえ、どんな制度にも例外はあります。育児休業中であっても、次のような条件を満たす場合に限り、例外的に働くことが認められています。
- 育児の合間に行うこと
- 育児に支障が出ない範囲であること
- 本人が無理なく同意していること
そして、具体的な目安として示されているのが、
月に10日以下、または80時間以下の就労です。
この範囲内であれば、「育児休業を継続している」とみなされ、給付金の支給対象となる可能性があります。ただし、この基準を超えると、給付金が支給されなくなるため注意が必要です。
働き方によって判断が変わることもある

ここで重要なのが、「日数や時間を守っていれば必ず大丈夫」というわけではない点です。実は、働き方の内容そのものが判断材料になることがあります。
たとえば、毎週決まった曜日や時間に働くようなケースでは、たとえ日数や時間が基準内であっても、「継続的な就労」と判断される可能性があります。制度上は、育休中の就労は「一時的・臨時的なもの」に限られているため、あらかじめ定期的な勤務を予定している場合は、その条件から外れてしまうのです。
一方で、急な業務対応や、突発的な繁忙への協力など、あくまで例外的な対応であれば、問題になりにくいとされています。この違いを知らずに働いてしまうと、本来受け取れるはずだった給付金が支給されなくなる可能性があるため、注意が必要です。
副業の場合はどうなる?
では、育児休業中に会社以外の仕事、いわゆる副業で収入を得る場合はどうなのでしょうか。
結論から言うと、育休を取得している会社以外から得た収入は、原則として給付金に影響しません。給付金の調整対象になるのは、あくまで育休を取得している勤務先から支払われる賃金です。
そのため、「給付金だけでは少し不安」「スキルを活かして無理のない範囲で働きたい」と考える場合、副業という選択肢は現実的だと言えるでしょう。ただし、ここでも大前提は「育児に支障が出ないこと」です。体力や生活リズムを考慮し、無理のない範囲で行うことが大切です。
会社で働く場合に注意したい収入の上限

育児休業中に、取得先の会社から給与を受け取る場合には、金額にも注意が必要です。給付金と給与の合計が、休業前の賃金の一定割合を超えると、その超えた分だけ給付金が減額される仕組みになっています。
つまり、「少し働いて収入を増やしたつもりが、結果的に損をしてしまう」というケースも起こり得るのです。働く前には、どのくらいまでなら影響が出ないのかを事前に確認しておくことが重要です。
副業と会社勤務の違いを理解しよう
整理すると、育児休業中に会社で働く場合は、
- 就労日数や時間に制限がある
- 定期的な勤務は認められにくい
- 収入額によって給付金が減額される
といった制約があります。一方、副業の場合は、
- 働き方の自由度が比較的高い
- 収入額による給付金減額がない
- スキルや経験を活かしやすい
といった特徴があります。
まとめ
育児休業中の就労は、原則として認められていません。ただし、「一時的」「臨時的」「やむを得ない」といった条件を満たす場合に限り、例外的に認められています。
制度を正しく理解せずに働いてしまうと、給付金を受け取れなくなったり、思わぬ減額が生じたりする可能性があります。育児とお金、どちらも安心して向き合うためにも、事前にルールを知り、自分に合った選択をすることが大切です。
育児休業は、人生の中でも限られた大切な時間です。制度を上手に活用しながら、無理のない形で育児と向き合っていきましょう。