年収7900万円の米富裕層が「地味なビジネス」で稼ぐ理由について解説

――派手さよりも強さを選ぶ「ステルス富裕層」の正体とは

「アメリカの富裕層」と聞くと、あなたはどんな姿を思い浮かべるでしょうか。
ウォール街で金融取引を操る投資家、シリコンバレーでIT企業を立ち上げた起業家、あるいは最先端テクノロジーで一気に成功した若き億万長者……。

確かに、そうした華やかな成功者は存在します。しかし近年、アメリカではまったく違うタイプの富裕層が増えているといいます。それが「ステルス富裕層」と呼ばれる人たちです。

彼らの特徴は一言で言うと「とにかく地味」
事業内容は目立たず、SNSで自慢することもなく、世間の注目を浴びることもありません。ところが、その収入は米国上位1%。年収にして55万ドル、日本円で約7,900万円以上を稼いでいるのです。

今回は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事をもとに、
なぜ米国の富裕層が「地味なビジネス」で稼いでいるのか
そして、その考え方から私たちが何を学べるのかを、丁寧に解説していきます。

小学校の床材をはがす機械で富を築いた男

小学校の床材をはがす機械で富を築いた男

記事で紹介されているのが、デレク・オルソン氏です。
彼は子どもの頃、「いつか自分の会社を経営したい」という夢を抱いて育ちました。そして数十年後、その夢は見事に実現します。

ただし、成功の形は当初の想像とは少し違っていました。
彼が手がけたのは、小学校のカーペットなどの床材をはがすための機械を製造するビジネス

正直に言って、かなり地味です。
最先端でもなければ、流行りでもない。誰かに話しても「すごい!」と言われにくい分野でしょう。

しかしオルソン氏は、この仕事についてこう語っています。
「これがどれほど魅惑的なビジネスか、説明しよう」と。

米国の平均的な小学校には、延長11kmにも及ぶカーペットが敷かれています。そして子どもたちは、毎日その床を容赦なく汚します。
結果として、多くの学校ではほぼ毎年、夏休みの間に床材を張り替える必要があるのです。

つまりこの市場は、
・誰も派手だと思わない
・ほとんど注目されない
・しかし「必ず必要とされ続ける」

まさに誰も知らないが、誰もが必要としているニッチ市場だったわけです。

富裕層=金融・ITという思い込み

私たちはつい、「お金持ちは金融やITで成功している」と考えがちです。
もちろん、それも事実の一面ではあります。

しかし、記事によると、アメリカでは商品やサービスをコツコツ提供する伝統的なビジネスが、再び富を築く主要な手段として注目されるようになっています。

ある経済学者は、こうした人々を「ステルス富裕層」と呼びました。
なぜなら、彼らは派手に目立たず、静かに、しかし確実に資産を積み上げているからです。

データが示す「本当の富裕層の収入構造」

データが示す「本当の富裕層の収入構造」

この記事で特に興味深いのが、アメリカにおける所得層別の収入源データです。

まず、所得上位5〜10%の人たち。
いわゆる「かなり稼いでいる人たち」ですが、収入の90%以上が給与です。

次に、所得上位1〜5%。
超エリート層ですが、ここでも収入の8割以上は給与。実は、構造はそれほど変わりません。

ところが、上位1%に入った瞬間、世界が変わります。

この層では、
・給与:約50%
・事業所有からの収入:約35%
・配当や利息などの資産所得:約15%

という構成になります。

何が言いたいかというと、
本当の富裕層は「給料だけ」で稼いでいないということです。

これは日本でも同じです。
会社員として高い給料をもらうことは重要ですが、それだけでは「頭一つ抜けた富裕層」にはなりにくい。
その壁を越えるために必要なのが、事業を所有する、あるいは資産を所有するという発想なのです。

「稼ぐならハードワーク」もう一人の成功者の話

「稼ぐならハードワーク」もう一人の成功者の話

もう一人、象徴的な人物が紹介されています。
自動車用フロアマットで成功した、ウェザーテック創業者のデービッド・マクニール氏です。

彼はスコットランド旅行中、レンタカーに敷かれていたフロアマットに衝撃を受けました。
「アメリカのものとはクオリティが全然違う」と。

帰国後、彼はその製造会社に直接電話をかけ、アメリカで販売する契約を結びます。
その際、自宅を担保に差し出すという大きなリスクも取りました。

結果はどうなったか。
良質なフロアマットはアメリカ市場で爆発的に売れ、売上は年々拡大していきました。

当時を振り返り、彼はこう語っています。
「早朝3時にフリーダイヤルに電話をかけたら、誰が出たと思う? 私だ。」

日常の気づき、リスクテイク、そして圧倒的なハードワーク。
ここにも、ステルス富裕層に共通する成功の原則が見えます。

まとめ:地味なビジネスこそ、最強の選択肢

2022年時点で、米国上位1%に入るには年収55万ドル(約7,900万円)が必要です。
その多くは、給料だけでなく、事業所有や資産所有によって収入を得ています

重要なのは、最初から大きなビジネスを目指す必要はないということ。
月に数万円、数十万円の利益を生む小さな事業でも、それは立派な「事業所有」です。

成功の原則は、実はとてもシンプルです。

  1. 日常の身近な経験からニッチを見つける
  2. 必要なリスクを取る
  3. 徹底的にハードワークする

派手さは不要です。
静かに、地味に、しかし強く稼ぐ。
それが、米国のステルス富裕層が示してくれている現実なのです。